「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を見て、将来もらえる年金額に不安を覚えた…とおっしゃる方は少なくないかと思います。
預貯金などの貯蓄や個人年金保険などによって、コツコツと老後に備えているご家庭もいらっしゃるでしょう。
そんな場合、年金の受給額そのものを増やす工夫についても、ぜひ早めに知っておきたいですね。
今回は、老後に受け取る年金額を「最大で42%まで(※)」増額することができる「繰下げ受給」の制度について見ていきたいと思います。
※2021年4月現在
ねんきん制度のおさらい
まず日本の年金制度は、以下のような「2階建て」の構成になっています。
1階部分「国民年金」・・・日本に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務
2階部分「厚生年金」・・・公務員や会社員などが「国民年金」に上乗せして加入
国民年金のみに加入していた人(自営業、フリーランス、専業主婦(夫)など)は「老齢基礎年金」(1階部分のみ)を受給することになります。
また、厚生年金に加入していた人(サラリーマン・公務員など)は「老齢基礎年金」(1階部分)+「老齢厚生年金」(2階部分)を受給します。
国民年金・厚生年金いずれの加入者も、受給資格を満たす場合「原則」65歳から老齢年金を受け取ることができます。
「原則」65歳から、ということはそれ以外の年齢で受け取り始めるパターンもあるわけですね。
その一つが「繰下げ受給」です。
「繰下げ受給」とは…
老齢年金の「繰下げ受給」とは、年金をもらい始める時期を遅らせるぶん、年金受給額が増える制度です。
2021年4月現在、繰下げ年齢の上限は70歳。仮にこの70歳で受給をスタートする場合の増額率は42%です。
さらに2022年4月からは、繰下げ年齢の上限が75歳まで引き上げられ、最大で84%まで受給額を増やすことができるようになります。
年金受給までの生活費をどうするか、という問題はさておいて…。
増額率だけを見るとかなりお得感が高いと感じられる、この「繰下げ受給」。次でさらに詳しく見ていきましょう。