定年退職金2000万円以上でも「公務員が安心できない理由」

退職金2000万円だけで老後は安心できるか

2019年には金融庁のレポートの「老後2000万円問題」というワードが話題となりました。実際に2000万円超えの退職金があれば老後は安心して暮らしていけるのでしょうか。

金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」に、この「2000万円」を計算する際にモデルケースとなった世帯の記載があります。

※上記資料内「第 21 回市場ワーキング・グループ厚生労働省資料」より

収入から支出を差し引いて収支を計算してみると、ひと月に約5.5万円の赤字になります。

これが約30年間続くと仮定すると、1980万円という額になり、「2000万円が必要」という結論になっているのです。

ただし、2000万円という金額設定には疑問の声も上がっています。

現役世代に高収入で支出が多かった方や、更にゆとりある老後生活を送りたいという方は、支出の想定が約26万円では足りない可能性があります。もっと多めに計算する必要があるでしょう。

また、老後2000万円問題の資料における試算では「介護費用」が含まれていません。介護費用も責任を持って準備したいという場合は、別途介護費用を上乗せして計算する必要があります。

「老後にいくら必要か」というのは、家族構成・現在の生活水準・住宅状況・準備したい費用などにより、世帯ごとに金額が大きく違うものです。

ご自身の場合、どのくらいの老後資金を準備できれば良いかという点については、一度専門家に計算をしてもらうことをおすすめします。