次に、年収500万円の人が本当に35年間で約6,000万円を返していけるのか、見ていきましょう。

国税庁によると、年収500万円の方の税金や社会保険料を差し引いた可処分所得は、約380万円です。この可処分所得380万円から住宅ローンの返済、年間175万円を差し引くと、残りは205万円になります。

実際は13年間の住宅ローン控除があり、ざっくり言って年約50万円の税額控除がありますので、生活費として使えるお金はこの50万円を足した年255万円、月にすると約21万円になります。

総務省の「家計調査報告-二人以上の世帯」によると、2020年平均の消費支出は住居費を除くと約26万円ですから、これだと差し引き毎月5万円の赤字になってしまいますね。

もっとも、これは全国の平均値ですし、年収によってバラつきがあるかもしれませんが、削れるのは食費や娯楽費くらいしかありません。仮にケチケチ節約しても収支はトントンですし、貯金は一切できませんから、生活はかなり厳しいでしょう。

もし子どもが1人増えたり、会社をリストラされでもしたら、あっという間にローンが返せなくなって、破綻ということになりかねないのです。

このように、フラット35や民間銀行の返済基準でローンを目一杯借りて家を買う人は、常に綱渡り状態の生活になってしまいます。

一生に一度の買い物だからと、「私もパートに出れば何とかなるでしょ」などと言って、融資限度額まで目一杯ローンを借りてしまうと、後々後悔することになるかもしれません。

住宅ローンについては、YouTube「ウラケン不動産」の「【513】年収500万、住宅ローンを目一杯借りてマイホームを買うとその後どうなるのか?」でも詳しく解説しましたが、返済比率は多くても可処分所得の25%までにするのが基本です。

金利については、住宅金融支援機構のフラット35の固定金利で借りるか、民間銀行で0%台の変動金利で借りるかの二択になるでしょう。

年収500万円の人が可処分所得の25%で買える家は、35年返済で約2,700万円になります。フラット35の返済負担率による借入可能額が4,890万円でしたから、差し引き2,190万円も余裕が出てくることになります。

より良い暮らしのために家を買ったのに、逆に生活が苦しくなる・・・という本末転倒な家の買い方をしないためにも、身の丈にあった家の買い方をすべきだと思います。

失敗その5:ペアローンで借りた後に環境が激変

「ペアローン」とは、1つの物件に対して夫婦それぞれが住宅ローンを組んで、1人で借りられる額の2倍ほどの融資を可能にする、魅力的な融資方法です。

たとえば、5,000万円の物件を買いたいというときに、夫の年収だけだと3,000万円までしか借りられないところを、奥さんの年収枠を使って2,000万円のローンを組んで、合計5,000万円の融資を引っ張るという方法です。

しかし、ペアローンには非常に大きなリスクがあります。