ちなみにニュージーランドでは外国人でも起業することができます。ただし、そのためには起業家ワークビザ、もしくは永住権を取得・保持していなくてはなりません。
ビザは移民局に申請します。起業家ワークビザの場合、 ビジネスが今どの段階にあるのかや、運転資金や不正行為を行っていないかどうかなどの特定の要件をどれだけ満たしているかで、与えられるビザの期間が違ってきます。
永住権は起業家ワークビザより取得条件が厳しくなっており、健康状態や性格、英語能力など、起業家個人についての情報を提出する必要があります。さらに国内に永続的な雇用を3件以上提供するなどの経済的利益を国内にもたらすことは必須です。
筆者は日本国籍なので外国人にあたりますが、永住権があったため、今から20年ほど前に仲間と会社を立ち上げることができました。当時、「100NZドル(約7700円)あれば、会社を興せる」というのは有名な話でした。これは会社の登記費用を指しています。今では115NZドル(約8900円)に上がっています。
小規模企業は大切な存在
ビクトリア大学は、昨年のコロナまん延に際しての国の措置も、起業する側にとってプラスと捉えています。
具体的には、適切な対応策によりコロナを抑制できたことや、コロナの影響で経営が困難に陥った企業への助成金の提供が挙げられます。緊急時に政府からのこのような支援があるということは、ビジネスを立ち上げようという起業家にとり、心強いものです。
また、ニュージーランドの企業の97%が自営業も含め、従業員20人以下の小規模企業だという事実も注目すべきでしょう。これらは雇用の28%、国内総生産の4分の1以上を占めています。あらゆる産業に進出している点もこの国の小規模企業の特徴です。
企業・技術革新・雇用省内にある、小規模企業の支援に特化した団体をはじめ、政府は小規模企業の状況を常に把握し、利用可能なサポートをさまざまに用意。理想的なビジネス環境を常に提供し、サポートすることでその発展を支えています。