サラリーマンの専業主婦は、年金保険料を払わなくても老後に年金が受け取れます。これは自営業者の専業主婦との間で大きな不公平になっているので、改めるべきだ、と筆者(塚崎公義)は考えています。

サラリーマンの専業主婦は年金保険料を払わない

日本の公的年金制度は2階建てです。その上に私的年金が乗っかるので、全部で3階建てだと言われていますが、本稿では主に公的年金、それも1階部分の国民年金の話をしましょう。

1階部分の国民年金は、原則として20歳から60歳までの居住者全員が加入します。制度上、居住者は3つのグループに分けられています。

第1号は第2号でも第3号でもない人々で、自営業者等々です。第2号は、サラリーマン(サラリーウーマンや公務員等を含む、以下同様)です。第3号は、サラリーマンの専業主婦(サラリーウーマンの専業主夫を含む、以下同様)です。

第1号は、自分で年金保険料を支払う必要があります。支払わなくても刑罰は受けませんが、老後に受け取れる年金が少なくなったりしますので、ぜひとも払っておくべきでしょう。

第2号は、年金保険料が給料から天引きされるので、自分で支払う必要はありませんし、未払いで老後の年金が受け取れないということもないでしょう。ちなみに、支払うのは厚生年金保険料ですが、これを支払うことによって1階部分の国民年金保険料も支払ったものとみなしてもらえます。

第3号は、年金保険料を支払う必要がありません。配偶者であるサラリーマンが厚生年金保険料を支払ったことで、自分も国民年金保険料を支払ったものとして扱ってもらえるのです。