日本企業の海外進出先としてベトナムの存在感が高まり続けており、実際に進出企業数も年々増加している。
ベトナムの首都ハノイと中部ダナン、最大都市ホーチミンにそれぞれ日本商工会議所があるが、そこに加入している日系企業は1990件に上っている。日系企業の加入数で、ベトナムは2018年にタイを抜いてASEANでは最多になったという。
また、ジェトロによると、日本からのベトナムへの直接投資許可件数も4年連続の増加で、2019年には過去最多を更新した。
米中対立の中でのベトナムの可能性
バイデン大統領は3月31日、ハイテク技術分野で中国に対抗するため、最先端分野に今後8年間で2兆ドル(約221兆円)を超える投資を行っていく方針を表明した。
投資額は第2次世界大戦以降で最大規模だが、既に中国は製造強国を目指すべく米国の3倍にあたる額のインフラ投資を実施している。
また、バイデン大統領は2月24日、国の安全保障や経済的繁栄を維持するため、安全で強固なサプライチェーンを構築すべく同盟国らと協力を強化していくと明らかにした。
今後は脱炭素技術や人工知能、電気自動車などハイテク分野の米中競争が激しくなり、米国は中国を念頭に半導体やレアアース、医薬品などの輸出入先を根本的に見直していくと思われる。