「お年寄りが危ないから、走り回ったりボール遊びをしたりしてはいけない」「お年寄りに迷惑がかかるから、大声を出してはいけない」という警告文が掲示された公園がある―。
子育て中のママにとってはいささかショッキングなニュースが、ネットで話題になったのは記憶に新しいところです。果たして公園は、いったい誰のものなのか? 公園はいったいなんのためにあるのでしょうか。
「公園で遊んでいる子供の声がうるさい」という苦情
最近SNSで立て続けに話題になっていたのが、公園に掲示された「警告文」。
ある児童公園では「子供たちの遊ぶ声がうるさい。近隣にはお昼の時間帯でも静かな環境を望んでいる人がいる。どうか想像力を働かせてほしい」。
また、別の公園に掲示されたのは「公園で子供が走り回ったり、ボール遊びをしたりすると、お年寄りが怪我をする危険性があるので禁止」というもの。
子供たちを遊ばせようと公園を訪れたママたちが、この警告文を見て途方に暮れる姿は、想像に難くありません。
公園の意味を辞書で調べてみると「市街地にあり、人々が休息したり、遊んだりできる場所」とあります。
さらに、「児童公園」の定義について調べてみましょう。児童公園とは、1956年に制定された都市公園法に基づいて、児童の遊びやレクチャー、スポーツに供する公園施設のこと。
ただし、平成5年の都市公園法施工令改正によって、「児童公園」とされていたものは「街区公園」と名称変更されました。
これは児童の利用のみならず、高齢者や街区内の居住者が利用することを視野に入れた、コミュニティ形成の場としての役割を担ってくれるよう、行政の期待が込められた改名です。