調査対象の企業の中には「新型コロナウイルスによる心理的不安を軽減・除去するために、給与の上積みを検討中」という声もあがりました。今すぐに給与カット分を補うことは難しいかもしれませんが、各企業がコロナ禍に対してさまざまな対策を講じている様子がうかがえます。

賞与のカット率は「11~30%」が最多

それでは、賞与(ボーナス)についてはどうでしょうか。新型コロナウイルスの影響で賞与カットを行った企業は、全体の11%(外資系企業:11%、日系企業:11%)となっており、給与カットよりも賞与カットを実施した企業が多いことがわかります。

賞与カットを行った企業に対して、カットの割合について聞いたところ、結果は図2のようになりました。

図2 賞与のカット率

出典:「新型コロナウイルス禍での給与・賞与の変化」エンワールド・ジャパン株式会社

賞与カットの割合として最も多かった回答は「11~30%」でした。ただし、日系企業では「1~10%」と「11~30%」が同率となっており、カット率を10%以下に抑えている企業も同じくらい存在することがわかります。

また、100%の全額カットを実施した企業も全体の14%(外資系企業:19%、日系企業:7%)存在するなど、深刻な企業の状況が見て取れます。

【業界別】最も冬のボーナスが減ったのは? 増えたのは?

それでは、東京都が実施している「2020年 年末一時金要求・妥結状況について(最終集計)令和2年12月10日現在」をもとに、昨年冬のボーナス事情を詳しく見ていきましょう。