私たちの老後の生活を支えるのは、多くの場合まず「公的年金」でしょう。

現役世代のみなさんは、ご自分が将来どのくらい年金をもらえそうか、イメージできますか?

ねんきんネットやねんきん定期便などで確認されている方もいらっしゃるかと思います。

老後の年金受給額は、現役世代の働き方や加入状況によって大きく幅が出ます。

とりわけ、サラリーマンが受け取る「厚生年金」と、自営業やフリーランスの人が受け取る「国民年金」の老齢年金の受給額の差が大きいことは既にご存じの方も少なくないでしょう。

そこで今回は、『厚生年金と国民年金「受給額の差」はどのくらいか』と題して、最新の年金受給額事情をみていきます。

「厚生年金、みんなはいくらもらってる?」

サラリーマンである会社員や公務員などは「第2号被保険者」に分類され、厚生年金と国民年金の両方を受け取ります。

2020年12月に厚生労働省年金局が公表した「令和元年(2019年)度厚生年金・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均年金月額は14万4268円、そのうち男性は16万4770円、女性は10万3159円です。

ここで、みんなが「どのくらいの金額を、どのくらいの人が」受け取っているかみていきましょう。

厚生年金 年金月額階級別老齢年金受給権者数(男性)

  • ~5万円未満…15万977人
  • 5万円以上~10万円未満…97万6724人
  • 10万円以上~15万円未満…261万3866人
  • 15万円以上~20万円未満…436万9884人
  • 20万円以上~25万円未満…224万9128人
  • 25万円以上~30万円未満…28万8776人
  • 30万円以上…1万7626人

厚生年金 年金月額階級別老齢年金受給権者数(女性)

  • ~5万円未満…31万5100人
  • 5万円以上~10万円未満…234万1321人
  • 10万円以上~15万円未満…218万2510人
  • 15万円以上~20万円未満…41万2963人
  • 20万円以上~25万円未満…6万3539人
  • 25万円以上~30万円未満…4166人
  • 30万円以上…379人

上記の分布を見ると、5万円未満から30万円以上の金額まで、受給額にはかなりの幅があります。

厚生年金は働いていたときの収入に応じて年金保険料を納めるため、受給額には現役時代の収入が反映されます。そのため、上記の分布に見られるような受給額の格差が出てくるのです。