「昔に比べると減ったよ」
この言葉、最近いろいろな場面で聞きませんか。年金だったり、金利だったり、退職金だったり。
実際に私も前職で、60歳で定年を迎える上司と退職金の話をしている際に聞きました。
その上司は「あなたたちの時はもっと減っているかもね」とも言い、ショックを受けたのを思い出します。
「退職金」と聞くと、どうしても「大きなまとまったお金」を想像しますし、「老後は退職金があるから大丈夫」と考えている方も少なからずいらっしゃると思います。
私は、大学卒業からこれまでファイナンシャル・アドバイザーとして多くのお客様のファイナンシャル・プランニングを担当させていただきました。
そこで今回は、老後は退職金があるから本当に大丈夫か、イマドキの退職金事情を見ながら考えていきたいと思います。
大企業の会社員、退職金はいくらか
ひとえに退職金と言っても、大企業と中小企業では、退職金制度の有無や退職金支給額も異なります。
ここでは大企業の退職金を見ていきましょう。
中央労働委員会の「令和元年(2019年)退職金、年金及び定年制事情調査」より、大企業の退職金は以下のとおりです。
大学卒(事務・技術労働者、総合職相当、会社都合)
- 勤続10年:312万8000円
- 勤続15年:588万4000円
- 勤続20年:965万9000円
- 勤続25年:1426万9000円
- 勤続30年:2012万9000円
- 定年:2511万1000円
大学卒(事務・技術労働者、総合職相当、自己都合)
- 勤続10年:186万1000円
- 勤続15年:407万6000円
- 勤続20年:801万8000円
- 勤続25年:1287万円
- 勤続30年:1898万3000円