その最大の理由は、公的年金が受け取れるからです。以下では、主にサラリーマンと専業主婦の夫婦について考えることにします。

自営業者は人によって収入等々が全く異なるので一般論として論じることが困難だからです。

強いて一般論を言えば、自営業者は公的年金がそれほど多くありませんが、定年がないので元気な間は現役並に働いて稼ぐことができますから、長く働いて「老後」を短くするように努めましょう。

年金だけで暮らせるが、ささやかな贅沢は楽しみたい

厚生労働省によれば、標準的なサラリーマンと専業主婦の夫婦は、65歳から死ぬまで毎月約22万円の公的年金が受け取れます。上記の25万円には少し足りませんが、足りない金額分くらいは退職金等々で何とかなるでしょう。つまり、60歳で定年になってから65歳まで働いて何とか生活費を稼げば、その後は何とかなるのです。

さらに言えば、25万円は老後の生活に必要なのではなく、22万円で最低限の生活はできるけれども、ささやかな贅沢を楽しむためには25万円くらい欲しい、ということだと考えれば、老後資金が貯まっていなくても、退職金が住宅ローンで消えてしまっても、老後に路頭に迷う心配はなさそうです。

もっとも、老後は自宅に住むことが望ましいので、現役時代に住宅を確保しておくことが前提でしょうね。そうでないと、長生きしている間にインフレが来た場合、ただでさえ生活費がかさむのに借家の家賃が値上がりしていくわけですから、そうしたリスクは避けておきたいですね。