長引くコロナ禍で迎えた2度目の春。
この春の新入社員のみなさんは、コロナ禍での就職活動を通じてひと足先に社会の厳しさを実感されてきたことでしょう。
株式会社ディスコが2020年8月に実施した「就活生の企業選びとSDGsに関する調査」から、ちょっと興味深いデータをご紹介しましょう。
この調査では、2021年3月卒業予定の大学生・大学院生に「就職先企業に決めた理由」をたずねています。その結果は以下の通り。
1位 社会貢献度が高い・・・30.0%
2位 将来性がある・・・28.5
3位 職場の雰囲気が良い・・・26.5
4位 給与・待遇が良い・・・25.9
5位 福利厚生が充実している・・・25.5
収入や福利厚生といった面よりも、企業風土に注目が集まっているようですね。
さて、入社後には勤務規則や給与規則といった会社の制度を確認する機会があるかと思います。「退職金」に関する決まりもその一つです。
若い世代のみなさんであれば「退職金?そんな遠い将来の話なんてピンと来ない・・・」というのが本音かもしれませんね。
とはいえ、退職金は人生のマネープランを左右する大切なお金です。
今回は『会社員の退職金「何年勤めたら1000万円超えそうか」』と題して、民間企業の退職金事情をながめていきます。
退職金は「勤続年数と学歴」で変わる?
まず、日本経済団体連合会による「退職金・年金に関する実態調査結果」(2018年9月度)から、退職金と学歴の関係についてみていきます。
これによると、学歴別の標準者退職金(学校卒業後直ちに入社し、その後標準的に昇進・昇格した者を対象に算出)は、以下のようになっています。
標準者退職金
大学卒(総合職):2255万8000円
高校卒(総合職):2037万7000円
高校卒(生産・現業):1817万2000円
(※退職金額は、退職一時金のみ、退職一時金と年金併用、退職年金のみの場合の額を合算し、単純平均したもの。また各項目で集計企業数が異なるため、比較の際には留意が必要です。)
次では退職金と「勤続年数」の関係をみていきます。