幼かった子どもの晴れ姿を見ようと、両親ともに仕事の都合をつけようと頑張った人も少なくなかったでしょう。しかし、園から非情にも「卒園式に参加できる保護者は1名まで」という通達が出てしまった以上、母親・父親のどちらかしか出席できません。どちらが出席するか、ギリギリまで決められなかった家庭もあったようです。

「我が子の幼稚園も卒園式に参加できる保護者は、1人だけ。我が家の場合、母である私が役員をしていましたが、夫も子どもが年少のころはイベントのたびに積極的に園の手伝いに行っていて、幼稚園との関わりが深かったんです。結局私が出席したのですが、式に出席する保護者以外の人は園の敷地内に入ることも許されず、仕方がないとはいえ歯がゆい思いをしました」(32歳女性/パート)

「感染対策のため仕方ないとはわかっていながらも、子どもの卒園式に参加できなかったのはつらかったです。送り迎えなどにも頻繁に行っていたので、子どもの幼稚園での最後の姿、見たかったなというのが本心ですね」(35歳男性/メディア関連)

園での生活に積極的に関わっていた親にとって、1人しか式に参加できないというのは残酷な処置。一方で、屋外(園庭)で卒園式を開催して同居の家族のみ参加OKとした園もあったようです。

園ごとに両親とも参加できる・できないの判断が分かれてしまいましたが、判断する運営側もつらいところだったのではないでしょうか。

実は好評? 運動会の「2部制」「午前切り上げ」

ネガティブな意見がある一方で、新たな生活様式を取り入れたことによって、今までのムダが見えてきたというケースもあるようです。

昨年、初めてコロナ禍の中で開催された運動会。従来なら、家族総出でお弁当を持って、会場に向かうという光景がたくさん見られたものです。しかし昨年は、お弁当を広げてみんなで食べた学校なんて、ほぼなかったのではないでしょうか。

多くの学校では、運動会を午前中だけで切り上げたり、学年ごとに分けて2部制にしたりするなど、密にならないように開催方法に配慮がされていました。子どもたちの参加種目を減らしたりしたところもあったようですが、とにかく“これがないと運動会として成り立たない”という部分にしぼり込んで、効率良く進行しようとした学校が多かったように思います。