「見えない化」を突き進む日本

さて。マトメです。もし自分が応募する立場だったらという前提で考えてみます。自分も中高年ですから、普通に応募したら何十社も書類審査を通らないかもしれません。ただ、いまは「マトメて応募」なんて便利なボタンがありますから。100社くらい応募するのはカンタンですよね。

ただ、このことを俯瞰して考えると、日本中でそんなことをやっているわけです。ホントに「壮大なムダ」だと思います。結局、タテマエばっかり言っているから、そうなる。ハッキリ言えば、年齢制限したいなら、そう書けばよい。派遣でも面接が必要ならガンガンすればよい。

日本の社会制度は、結果としては「見える化」の真逆の「見えない化」を突き進んでいる気がします。そういう根本的なことを考えるのも、時には大切だと思います。

ちょっと話が脱線しますが、採用ライターが書きたくない職種があります。

自分の場合は「ドライバー」と「保育士」でした。応募が来ないからです。応募が来ないから原稿を修正する。それでも来ない。ただこれも、いまの潜在保育士数は70万人以上で、保育士登録者の6割以上ですから。テキストを修正したって、来やしません。根本的な問題とは、そういう事象だということです。

問題の本丸はやはり「新卒一括採用」だと思います。あとは雇用流動化を阻害する「整理解雇の4要件」。これが、正規と非正規の分断も生み出しています。ともかく日本の労働市場は問題がありすぎて、疲れます。当分、採用ライターはやりたくありません。

榎本 洋