株式市場の振り返り-“まじトラ”の可能性が高まった前場半ばから急落、全面安に

2016年11月9日(水)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 16,251円(▲919円、▲5.4%) 暴落
  • TOPIX 1,301.1(▲62.3、▲4.6%) 急落
  • 東証マザーズ総合指数 829.4(▲46.5、▲5.3%) 暴落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:43、値下がり銘柄数:1,934、変わらず:9
  • 値上がり業種数:0、値下がり業種数:33

東証1部の出来高は38億1,019万株、売買代金は3兆9,242億円(概算)となりました。“もしトラ”の現実味が増したことで株式相場は暴落となり、日経平均株価は一時▲1,000円超の下げとなりました。なお、終値の下落率は今年3番目の大きさでした。

また、狼狽売りが狼狽売りを呼んだ結果、2月12日に次ぐ今年2番目の商いを記録しています。一時は101円/ドルの円高が進んだことから、輸出関連株を中心に売り一色となりましたが、大引けにかけて若干戻した形で終わりました。

10日(木)も“まじトラ”の影響が残るのか懸念されますが、一方で、6月24日の英EU離脱の例(暴落ショックは一時的で、結果的に買い場となった)もあり、様々な思惑が交錯する可能性もあります。

一方、東証マザーズの出来高は6,398万株、売買代金は1,022億円で、いずれも前日を大きく上回りました。“まじトラ”の影響が新興市場にも波及して、狼狽売りを引き起こしたと考えられます。

ただ、新興市場の場合は、“まじトラ”の影響云々ではなく、物色テーマの不足は変わりません。何か資金流入のきっかけになるような材料が欲しいところですが、目立ったIPO案件も少なくなるため、まだ難しい状況が続く可能性が高いようです。

主力株は軒並み急落、その中で唯一ニトリホールディングスが小幅上昇に

個別銘柄では、ファーストリテイリング(9983)、ソフトバンクグループ(9984)、ファナック(6954)など日経平均株価への寄与度の大きい銘柄が軒並み急落となりました。また、急速な円高進行を受けて、トヨタ自動車(7203)、富士重工(7270)、マツダ(7261)などが急落しています。

なお、日経平均株価を構成する銘柄はすべて下落となりました。一方、このような環境下において、ニトリホールディングス(9843)が小幅上昇となり健闘したのが目立っています。

新興市場でも、主力銘柄や注目銘柄は軒並み急落となり、冴えない1日となりました。特に、時価総額の大きいそーせいグループ(4565)、CYBERDYNE(7779)などいずれも急落しています。その中で、ユーザベース(3966)が前日比変わらずと健闘しました。一方、串カツ田中(3547)は大幅下落で引けています。

 

青山 諭志