老後2000万円問題には含まれない費用とは
老老介護など介護問題は社会の解決すべき問題として長らく存在していますが、老後2000万円問題にはこの介護問題に関する費用は含まれていません。
厚生労働省「第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会資料」から、平成28年度時点の健康寿命と平均寿命の差をみてみましょう。
〈男性〉
- 平均寿命:80.98年
- 健康寿命:72.14年
- 日常生活に制限のない期間との差:8.84年
〈女性〉
- 平均寿命:87.14年
- 健康寿命:74.79年
- 日常生活に制限のない期間との差:12.35年
日常生活への制限レベルに個人差はあるものの、令和2年度版高齢社会白書(全体版)によると、介護になった主な原因は1位が「認知症」18.7%、2位が「脳血管疾患(脳卒中)」15.1%、3位が「高齢による衰弱」13.8%、4位が「骨折・転倒」12.5%となっています。
特別な原因というよりは加齢に伴い誰にでもおこりうる原因だと考えられますが、高齢者夫婦同士で介護をしあう、子育て中の子ども世帯に親の介護を頼むという方法は双方にとって金銭的・心理的負担が大きいものになります。
LIFULL介護によると、「介護付き有料老人ホーム」の5年間費用の合計は1866万円、「サービス付き高齢者向け住宅」の5年間費用の合計は992万円ですので、こういった施設の利用を検討できるよう計画的に備えておきたいですね。