また、「年収がどんなに多くても、したいと思えない」と回答した人の割合は、前回調査の14.9%から今回は24.2%と大幅に上昇しました。
子育てには想像以上にお金がかかるというのが、筆者の実感でもあります。出産・子育てで妻が休職・退職すれば世帯収入は減ってしまいます。子供が欲しいと思っていても、収入面での不安によって躊躇してしまうというのは理解できる心情です。
おわりに
今どきの20代が結婚してもいいと思う世帯年収が500〜600万円と聞くと、一瞬”それは高望みでは?”と思ってしまいますが、夫婦2人で働くことが前提だとすると納得のいく数字です。
今の20代は、日本の長いデフレの中で育ち、年金や老後資金に不安を抱えた親を間近で見てきています。そんな20代が、結婚後も夫婦2人でしっかり稼いで、身の丈にあったライフスタイルを送ろうと考えるのは不思議ではないでしょう。
バブルをなんとなく知っていて、専業主婦のサザエさんやフネさんを見て育ってきた親世代とは、金銭感覚にギャップが生じるのも無理はないのかもしれません。
参考資料
- 20代の金銭感覚についての意識調査 2021(SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)
- 令和元年分 民間給与実態統計調査(国税庁)
中野 令子