「コロナ禍で家計の貯蓄が増えている」

最近そんなニュースを見聞きした方もいらっしゃるでしょう。

旅行などのレジャーや外食を控え、消費スタイルが変わりつつある今。早くもそのトレンドは、家庭の貯金額にも影響し始めているようです。

2021年2月に金融広報中央委員会が公表した最新版(2020年)「家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯・二人以上世帯ともに、前年調査と比べて、貯蓄額の増加や貯蓄ゼロ世帯の割合の減少が見られる結果となりました。

仕事のこと、お金のこと・・・。先の見通しが立ちにくい今。さしあたり「貯蓄を増やそう」と目標を立て、収入アップや節約に励んでいらっしゃるご家庭も多いかと思います。

「同じ世代のみんなが目指す貯蓄額ってどのくらいだろう」と、ちょっと気になりませんか?

そこで今回は、『【世代別】ほんとうの貯金額と「目標金額」の差はどれ程か』と題して、同調査の最新データをもとに、世代ごとの貯蓄事情をながめていきたいと思います。

【世代別】みんなはどれだけ貯めている?

では、前出の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」から、各世代別の貯蓄事情をみていきましょう。

20代~70代「みんなの貯蓄額」

さいしょに、同調査より各世代の貯蓄額を整理していきます。
世代別「金融資産保有額」(金融資産非保有世帯も含む)

  • 全世代・・・平均1436万円:中央値650万円
  • 20歳代・・・平均292万円:中央値135万円
  • 30歳代・・・平均591万円:中央値400万円
  • 40歳代・・・平均1012万円:中央値520万円
  • 50歳代・・・平均1684万円:中央値800万円
  • 60歳代・・・平均1745万円:中央値875万円
  • 70歳以上・・・平均1786万円:中央値1000万円

「平均」と「中央値」

中央値は数値を小さい順、あるいは大きい順に並べた時、真ん中に位置する数値を表します。

平均は、もちろん参考となる値ですが、一部の極端に大きい値に左右されるため、実感とかけはなれた数値になってしまうことがあります。よって、中央値の方が実勢により近い数値といえます。

次では貯蓄とセットで考える必要がある「負債(借入額)」についても、世代ごとに整理していきます。

「借入額」は世代ごとにどう変わる?

「貯金と借金」は切り離して考えることはできません。

世代別の貯蓄額をみたところで、同調査より負債額(借入額)も確認していきます。

「借入金」がある世帯の割合とその金額

全世代・・・ある:42.9%
平均671万円:中央値0万円

20歳代・・・ある:40.0%
平均191万円:中央値0万円

30歳代・・・ある:62.3%
平均1460万円:中央値900万円

40歳代・・・ある:64.5%
平均1325万円:中央値750万円

50歳代・・・ある:56.1%
平均729万円:中央値120万円

60歳代・・・ある:31.2%
平均205万円:中央値0万円

70歳以上・・・ある:17.3%
平均187万円:中央値0万円