たしかに、業界で有名になるのはごく一部の人だけですが、それはどの分野でも言えることです。時代が変わった今、アニメ産業は子供向けだけのものではありません。世界を視野に入れられる、成長性の高い業種とも言えるでしょう。
文化交流の中で存在感を増すアニメ・漫画
外務省の外交政策では経済外交の他に広報文化外交が掲げられています。そこでは日本の伝統文化だけではなく、アニメや漫画を含んだポップカルチャーの情報発信も重要視されています。
筆者も学生時代に、日本の少女漫画が好きだというイタリアの女の子とメールでやり取りをした想い出があります。今から20年近く前のことですが、その頃から日本の漫画やアニメは海外で支持されていたのです。
人気キャラクターに扮するコスプレ文化も海外のファンの間で広まり、各地で大規模なイベントが行われてきました。新型コロナウイルスの感染拡大により、こうした交流やイベントの実施は難しい状況が続いていますが、アニメや漫画への情熱は国境を越えて広がりを見せています。
声優や漫画家への憧れを持つ子どもが増加しているのも、アニメや漫画好きに対するネガティブなイメージ”が薄れ、「日本らしい文化」として地位が向上していることが大きいのかもしれません。
参考資料
- 中高生が思い描く将来についての意識調査(ソニー生命保険株式会社)
- アニメ産業レポート2020 サマリー(一般社団法人 日本動画協会)
中山 まち子