中でも声優は、歌手活動や役者など幅広く活躍できるチャンスを秘めた職業でもあります。写真集やトークショー、アニメのイベントなどファンと触れ合う機会も多いので、憧れを抱く子どもも多いのでしょう。
小学校でも学年が上がると深夜アニメ系の作品を好きな子も出てきてきますが、筆者の子どもたちの話を聞くかぎり「アニオタ」という偏見の目でみられることもなく、「アニメが好きな子・詳しい子」という立ち位置を築いているそうです。
アニメ産業市場の規模は2兆5000億円超
一般社団法人日本動画協会が2020年1月29日に発表した「アニメ産業レポート2020 サマリー」によると、2019年の日本のアニメ産業市場(広義のアニメ市場)は2兆5112億円という巨大市場になっています。
アニメキャラクターのグッズ展開など、昔からあるジャンルでの売上が底堅く推移しているのに加え、近年特に成長しているのが海外向けと配信。
配信のジャンルでは、AmazonプライムやNetflixといった動画配信サブスクリプションの浸透もあり、2009年は123億円だった売上が2019年には685億円と10年で5倍以上に増加しています。
人口減少に直面している日本ですが、動画配信の普及や海外での勢いもあり、アニメ産業の未来は暗いものではありません。こうした背景もあることから、アニメ産業への就職は夢物語ではないと言えるでしょう。
また、インスタグラムやTwitterなどに投稿したイラストや漫画が書籍化されたり新たな仕事につながるケースも現実に起きており、これまでとは異なる方法で収入を得ることも可能になっています。
子どもが声優や漫画家、アニメ業界への憧れを口にしたとき、「そんなのムリ」「大変」と聞く耳を持たず一蹴するのは早計かもしれません。