「年金の受け取り方はこう変わる」働くシニアのための法改正とは

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2020年5月29日に「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律(年金改正法)」が成立しました。これにより、2022年4月から在職老齢年金についても改正される予定です。

60歳以降に働きながら老齢厚生年金を受け取る場合、賃金と年金の合計が一定以上になると年金の全部または一部が受給停止になる場合があります。これが在職老齢年金制度です。

今後は年金を受け取りながら働き続ける、「老後レス社会」が進むとも言われています。

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私は大学卒業後、信用金庫での勤務経験があり、FPの資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、多くの方のファイナンシャルプラニングに関わってきました。

そこで今回は、働くシニアの年金事情についてみてみたいと思います。

在職老齢年金とはどのような制度か

現在、公的年金の受給開始年齢は65歳からとなりますが、昭和60年の法律改正で年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられた際に、受給開始年齢をスムーズに引き上げるために設けられたのが「特別支給の老齢厚生年金」です。

男性の場合は昭和36年4月1日以前生まれ、女性の場合は昭和41年4月1日以前に生まれた人が支給対象で、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があり、厚生年金保険等に1年以上加入していたこと等が条件となります。

この特別支給の老齢厚生年金は、60歳以降も働きながら受給する場合に、給料によって受給額の全部もしくは一部が停止する場合があります。

現在は在職老齢年金の支給停止基準額は、給料と年金月額が28万円を超える場合に年金額の一部または全額が支給停止になる場合があります。

ここでいう給料とは、総報酬月額相当額のことを指し、その月の標準報酬月額と直近1年間の賞与の合計額を12で割った金額です。

60歳以降もこれまで通り週5日間の勤務を続けている人は年金を受給できない可能性が大いにありそうですね。

この支給停止基準額が47万円に引き上げられるので、より年金を受け取りながら働きやすくなりそうですが、そもそも特別支給の老齢厚生年金は受給資格のある年代が限られています。

今現役世代の人には関係のない人も多い改正と言えるでしょう。

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執筆者
谷口 裕梨

同志社大学卒。大学卒業後、京都中央信用金庫で投資信託や生命保険などを活用した資産運用アドバイス、相続相談、融資、為替業務などに従事。その後は福知山市役所で主に中小企業支援などに携わる。現在はこれまでの金融商品の知識を生かし、個人向け資産運用のサポート業務を行う。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などを保有。