地銀マンが次に描くキャリアは?

地銀マンを取り巻く厳しさは、キャリア形成の難しさにもあります。金融業界・会社固有の業務フローが多いため、一般的なビジネスシーンで求められる、PowerPoint・Word・Excel・ビジネスメールなどのスキルが身につきにくいのです。それゆえ、他業界への転職の難しさがあるのも事実です。

実際、私自身も銀行から一般企業に転職したときは、苦労しました。「メールってどうやって打つの?」「パワポってなに?」という状態からのスタートに、取り残されている感覚は強くありました。さらには事業推進のスピード感も、銀行とは比べ物にならないほど速く、圧倒されたのを覚えています。

とはいえ、キャリアアップを図りたいと他業界へ転職をする地銀マンも、もちろんいます。転職が厳しいとされる中でも、新天地を目指す彼らが選ぶキャリアステップは、どのようなものなのでしょうか。

地銀マンの転職先として多く挙がるのは、人材業界です。銀行員として働き続けるうち、事業を形成する「ヒト・モノ・カネ」における「ヒト」の部分から企業に貢献したい。そうした気持ちが強くなり、転職先として選ぶ人が多いのです。

地方の中小企業の大きな悩みは、人材不足。もちろんお金も必要ですが、融資を受けた資金を運用できる人がいなければ会社の未来はありません。日頃から中小企業の社長に会い、魂が込もったものづくりへの想いを聞いている地銀マンは、いざ社長の夢を実現させたい!と思っても、自分たちには金貸ししかできないことに気づくんですね。

その事実を目の当たりにしたとき「ヒト」の支援ができる人材業界に転職したい、と希望する地銀マンが多いのです。