急浮上したワクチン接種におけるIT活用
現状は、「もう政府には期待しないからいいよ。ワクチンで解決でしょ」と思っている方も少なからずいるかもしれません。正直に言えば自分も、かなりそう思っている一人です。
そもそもワクチン調達が順調に進むかという問題もあるわけですが、ここからは、急浮上したワクチン接種でのIT活用を見ていきます。5つの柱で言えば4番目の「ワクチン接種の着実な推進」に関連する問題です。
実はここにきて、ワクチン接種管理にマイナンバー連携の動きが急浮上しています。2回接種したかどうかや、その途中での転居者管理などが主要因です。
当初、国はワクチン接種のマイナンバー連携を考えていませんでした。これに関して世田谷区の保坂区長はメディア取材で次のように語っています。
「全国共通であるはずのワクチン接種なので、国に整備を求めてきたものの、昨年末に出た結論は『国での整備は難しい。自治体の判断でやってほしい』と。それでやむを得ず独自にシステムを発注したところに、マイナンバーを活用するという話が突然出たのです」。
平井デジタル改革担当大臣がマイナンバー連携をコメントしたのが、1月19日。河野ワクチン接種担当大臣が「マイナンバーと接種情報を紐付けするシステムを構築する」と発言したのが同月25日。
そして2月19日、新型コロナワクチンの接種記録とマイナンバーを紐づける「ワクチン接種記録システム」の開発を、ITベンチャーのミラボ(東京都千代田区)が受注しました。