35歳で政治家としてデビュー

オードリー・タンは2019年1月、アメリカの外交専門誌「フォーリン・ポリシー」で2019年のグローバル思想家100人に選出されました。また日本でも、昨年出版された『Au オードリー・タン 天才IT相7つの顔』(文藝春秋)が大きな注目を集めています。

オードリーの政治家としての軌跡を見ていきましょう。台湾政界への登場は、2016年で35歳の時です。二度目の政権獲得を果たした民主進歩党の蔡英文政権下において閣僚(デジタル担当大臣)に任命されました。

オードリーの政治活動への参画は、2014年の「ひまわり学生運動」がスタートだと言われています。「ひまわり学生運動」は3月18日に始まったことから、当時、台湾メディアでは318学運・占領国会事件と呼ばれていました。

ひまわり学生運動は、台中間のサービス分野の市場開放を目指す「サービス貿易協定」の批准に向けた審議に端を発し、2014年3月18日に、学生と市民らが立法院を占拠した学生運動から始まった社会運動です。そして、オードリーは「ひまわり学生運動」側のメンバーとして、占拠された立法院にいました。

オードリーが行ったのは、NGOをはじめとする参加団体のライブストリーミングのセッティング等をし、占拠された立法院の模様をライブ配信したり、各団体の議論の場をネット空間上に立ちあげたこと。最近のインタビユーでは「当時の国会はブラックボックスだった」と発言しています。