先日、久しぶりにある友人を家に訪ねました。すると、ドアを開けたとたん以前とはまったく違う雰囲気が…。

玄関を入ったところにまず1枚、居間に通されてまた1枚と大振りの絵がかけられていたのです。絵をかけるためのスペースを作るために、周りもきれいに整理整頓されていて、気持ちのいい空間が広がっています。

すっきり片付けられた部屋に通されながら、どうして絵を買ったのか尋ねると、「海外旅行で使うはずのお金で、これを買っちゃったの」と言うのです。

年に1度、数カ月をかけて海外旅行をするのが、彼女の楽しみ。でも、新型コロナウイルスの影響で、ニュージーランド人や国内居住者は緊急事態でもない限り、今、海外に出ることは考えられません。国境封鎖が続いているからです。

長引く国境封鎖に、人々は海外旅行で使う予定だったお金を別のことに使ったり、買い物をしたりしています。筆者の友人もその1人というわけです。一体なぜ今、絵画を買ったのでしょうか?

室内を見直すきっかけとなったロックダウン

コロナの影響といって誰もがまず思い出すのはロックダウンでしょう。

ニュージーランドでは、国内最大の都市、オークランドで約10週間、ほかのエリアでは約7週間ロックダウンを経験。散歩に短時間出られるだけで、ほぼ1日24時間ずっと家に留まらざるを得ませんでした。

この間、今まであまり気にしていなかった部屋のそこここに目が止まったり、長時間過ごすのなら室内をもっと快適にしたいと思ったりと、インテリアに目を向けた人は少なくありません。

そうした人は家具を新しく買ったり、カーテンを替えたり。はたまた思い切って部屋のリノベーションをしたという人もいました。