SDGs17のゴールに「金融」が取り上げられていない理由

巷間、話題に上ることが増えているSDGs(持続可能な開発目標)は、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓い、全世界で取り組むべき目標として、「持続可能でより良い世界」をつくるための17のゴールと169のターゲットを定めています。

しかし、このSDGs17のゴール、実は「金融」に関する項目がありません。それはなぜでしょうか?

答えから先にお伝えしてしまうと、SDGs17のゴールに紐づけられる169のターゲットを各々よく見ていくと、金融に関する内容が散りばめられています。つまり、金融は貧困削減や気候変動対策などの社会課題を解決に導く目標を達成するための包括的な手段として捉えられているからです。

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出所:国際連合広報センター

それでは、ここからはSDGs169のターゲットに散りばめられた金融に関する項目をまとめ、その内容を解説していきます。

SDGsが目指すファイナンシャル・インクルージョンの実現

SDGsには、ファイナンシャル・インクルージョン(Financial Inclusion、金融包摂)に関するターゲットが5つあります。ファイナンシャル・インクルージョンとは、すべての人が豊かなライフスタイルを実現するために、金融に関する知識やノウハウを共有し、あらゆる人が金融サービスを享受できるようにすることです。

特に新興国では、銀行預金口座開設の選択肢すらない方、お金を借りて家を建て働いて返すという選択肢がない方などが、たくさんいます。そうした方々に選択肢を届ける取組みが、ファイナンシャル・インクルージョンです。

ファイナンシャル・インクルージョンに関する5つのターゲットは、具体的には1-4(※1)、5-a(※2)、8-3(※3)、8-10、10-c(※4)になります(記事末のリスト参照)。

ここでは、貧困に陥っている方々をはじめ、経済基盤の脆弱性から既存の金融サービスへのアクセスが難しい層を対象に、ファイナンシャル・インクルージョンのターゲットが定められています。この金融サービスには、預金や借入などの銀行取引のほか保険、送金なども含まれています。

SDGsが目指すマネーロンダリング防止

これまでファイナンシャル・インクルージョンがなかなか進展しなかった理由の1つとしては、マネーロンダリング(資金洗浄)の問題が挙げられます。マネーロンダリングとは、麻薬取引や人身売買、詐欺などの犯罪や不正な手段により獲得した資金を正当な経済活動により得た資金に見せかけることをいいます。

金融機関はこうした不正利用を防ぐことを求められているため、どうしても管理コストが高くなる一方で収益化が難しい貧困層などに対してサービスを提供することが難しい状況が続いていました。現在は、マイクロファイナンス機関などがファイナンシャル・インクルージョンとマネーロンダリング防止の両立を目指しています。

ファイナンシャル・インクルージョンを掲げるだけでは、その裏にある犯罪行為を止められるとは限りません。そこで、SDGsにおいてはファイナンシャル・インクルージョンを掲げると同時に、マネーロンダリングの防止を目指しています。マネーロンダリング防止に関するターゲットは10-5、16-4(※5)の2つです(記事末のリスト参照)。

SDGsが目指す公正な食糧市場の実現

私たちの生活に悪い影響を及ぼす金融活動は、犯罪資金に関するものだけではありません。企業が合法的に利益獲得を目指しているにもかかわらず、結果として私たちの生活に悪影響が発生してしまうケースがあります。

たとえば、利益を得るために行われた投機により、食糧の貯蔵量や収穫量が変わらない一方、食糧価格が高騰してしまい、貧しい国や人々に食料が届かないといったケースです。こうした事態を防ぐターゲットもSDGsに含まれており、具体的には2-c(※6)が該当します(記事末のリスト参照)。

SDGsが目指す環境保全や途上国支援のための投資促進

SDGsでは、環境保全や途上国支援を積極的に推し進めるための投資促進もターゲットとして盛り込んでいます。

地球温暖化防止や生物多様性の保全といった環境に関する投資についての3つのターゲット(7-a(※7)、9-a(※8)、10-6)、途上国への投資や途上国の金融制度についての3つターゲット(10-b 、15-a(※9)、15-b)がこれに当たります(記事末のリスト参照)。

結びに~新たな金融への挑戦~

ここまでで取り上げてきたSDGsに散りばめられた金融に関する14のターゲットは、ファイナンシャル・インクルージョンの実現、マネーロンダリングの防止、公正な食糧市場の実現、環境保全や途上国支援のための投資促進を目指しています。

現在、こうしたSDGs達成を目指して、既存の大手金融機関が工夫を凝らしているほか、世界各地で数多くのFinTech(フィンテック)企業が誕生しています。

こうした新たな金融への取組み、挑戦が実を結ぶよう応援する方法の一つが「投資」です。投資にはそれこそ様々な考え方、手法がありますが、その一つとして従来のリスクとリターンの観点だけでなく、「社会貢献」の軸も意識した投資を検討してみてはいかがでしょうか。

以上、貸付型クラウドファンディングを通じて投資家の皆様の資産形成と世界の成長をつなぐクラウドクレジットでした。

ご参考:今回取り上げたSDGsのターゲットについて詳しく知りたい方は、「SDGs Note」のページから以下の各項目をご参照ください。

  • ※1 【SDGs17のゴール】1. 貧困をなくそう
  • ※2 【SDGs17のゴール】5. ジェンダー平等を実現しよう
  • ※3 【SDGs17のゴール】8. 働きがいも経済成長も
  • ※4 【SDGs17のゴール】10. 人や国の不平等をなくそう
  • ※5 【SDGs17のゴール】16. 平和と公正をすべての人に
  • ※6 【SDGs17のゴール】2. 飢餓をゼロに
  • ※7 【SDGs17のゴール】7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  • ※8 【SDGs17のゴール】9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • ※9 【SDGs17のゴール】15. 陸の豊かさも守ろう

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クラウドクレジット

クラウドクレジット株式会社は「日本の個人投資家と世界の信用市場をつなぐ」をコーポレートミッションとして掲げ、多くの国の資金需要者と日本の個人投資家を繋ぐ金融サービスを「貸付型クラウドファンディング」の形態で行っています。世界のローンに分散投資ができるという新しい投資機会等を提供する商品に共感をいただき、累計出資金額約363億円、運用残高約150億円、ユーザー登録数約5万1千人(2021年5月11日時点)と、着実に成長を続けています。