昨年より続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、テレワーク導入や時短営業など、さまざまな業種で働き方に大きな変化が生まれました。家族との時間が増えたという人がいる一方、収入が減って家計管理が苦しくなったという声も聞かれます。
しかしお金に対する不安は、いつの時代も変わらないようです。さらに共働きが増えた現代ですが、家計管理は妻が担う割合が多く、さらに家事の負担も減っていないことがデータから読み取れます。本記事では、結婚3年以内の若年夫婦と結婚30年以上の熟年夫婦が抱えるお金の不安、さらに昨今の家事分担事情についてご紹介します。
夫婦の家事分担は偏りがある
共働き夫婦の増加につれ「家事シェア」が注目されるなど、妻に偏りがちだった家事の分担について考える人たちが増えています。実際、夫婦の家事分担にはどのくらいの差があるのでしょうか。
厚生労働省「社会保障・人口問題基本調査(全国家庭動向調査)」(2020年7月8日更新)によると、妻の平均家事時間は平日で4時間23分、休日は4時間44分であるそうです。妻の就業別に家事時間を比較すると、「常勤」187分(3時間7分)、「パート・自営」261分(4時間21分)、主に専業主婦を含む「その他」352分(5時間52分)でした。
30~50代の主婦の3割は、休日の6時間以上を家事に費やしています。専業・兼業に関わらず、またどんな就業形態であれ、妻は日々の大部分を家事に割いていることが分かるのではないでしょうか。
一方で、夫の平均家事時間は平日37分、休日66分(1時間6分)です。もちろん帰宅時間や働き方の違いも大きく影響していると考えられ、夫の帰宅時間が遅い世帯ほど妻の家事分担も増えています。しかし、夫の帰宅時間が「17~19時」の場合でも、7割以上の妻は80%以上の家事を担っているのが現状です。