いよいよ来月から改正高年齢者雇用安定法が施行されます。

70歳までの就業機会の確保について、高年齢者がいろいろな選択ができるよう制度を整え、事業主がいずれかの措置を制度化するよう努力義務を設けるものです。

60歳で定年退職を迎えた後も、働く意欲を持っている人は多いでしょう。

65歳未満なら、退職理由が「定年」や「自己都合」でも一定の条件を満たし、働く意欲があると雇用保険から失業給付(基本手当)を受ける事ができます。

長い老後生活に向けて、できるだけ長く働いて老後の生活費を上手にやりくりしていきたいですね。

私は大学卒業後、信用金庫での勤務経験があり、FPの資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、多くの方のファイナンシャルプラニングに関わってきました。

そこで今回は、還暦60代にスポットをあて、60代の貯蓄額から老後の資産形成について見てみたいと思います。

還暦60代、平均貯蓄額はいくらか

まずは60代に貯蓄額について見ていきたいと思います。

金融広報中央委員会公表の「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、金融資産を保有していない世帯を含む60代の平均貯蓄額と中央値は以下の通りです。

  • 平均貯蓄額:1745万円
  • 中央値:875万円

次に金融資産の保有額別の割合は以下のとおりです。

  • 金融資産非保有:18.3%
  • 100万円未満:3.5%
  • 100~200万円未満:4.0%
  • 200~300万円未満:4.0%
  • 300~400万円未満:3.3%
  • 400~500万円未満:4.0%
  • 500~700万円未満:5.3%
  • 700~1000万円未満:7.5%
  • 1000~1500万円未満:7.5%
  • 1500~2000万円未満:6.3%
  • 2000~3000万円未満:13.3%
  • 3000万円以上:19.6%
  • 無回答:3.3%

金融資産非保有世帯、言い換えると貯金ゼロ世帯が18.3%に対し、3000万円以上の世帯が19.6%と、ほぼ同じ割合になっています。

60代の貯蓄状況を見ると、貯蓄格差が大きいことがわかります。

現役時代にどれだけ老後資金を準備してきたかが大きく影響していると言えるでしょう。

60代は退職金の有無も大きな要因と言えます。

はたらく世代の人も退職金がない会社に勤務している人は、退職金に代わるものを自分で準備する必要があると言えそうですね。

働く意欲がある60代は社会保険の活用を検討

老後の生活費を少しでも多く確保するために、健康で長く働き続けたいものです。

そこで60歳以降も働く意思のある人には、利用できる社会保険制度がいくつかあります。

まずは冒頭でご紹介した「失業給付」、いわゆる雇用保険の基本手当のことを指します。

65歳未満で離職日前の2年間に1年以上雇用保険の被保険者期間があり、すぐ働ける人が対象となります。

給付額は離職理由などで異なりますが、「定年」や「自己都合」による退職の場合、1日あたりの給付額が退職前賃金日額の45~80%で、90日~150日の給付日数となります。

ただし、特別支給の老齢厚生年金と併用はできませんので注意が必要です。

また、65歳以上の高年齢被保険者が離職して「失業の状態」にあるときは、高年齢求職者給付金が受け取れます。

こちらは一括で受け取ることができ、被保険者であった期間に応じて基本手当日額の30日分、または50日分に相当する高年齢求職者給付が支給されます

厚生年金と併給ができますので、65歳以降も働く意欲がある人は、どのパターンが自分にとって最適かを確認するとよいでしょう。

社会保険を上手に活用すれば、長く働くことができそうですね。

高齢になると健康状態や、家族の介護など、働きたくても働けない状態になる可能性もあります。現役時代のように稼げなくなる人もいるでしょう。

60歳から生活費に加えて、老後資金を貯めようとするのはなかなか難しいことでもあります。

ゆとりある老後に備えるためには、現役時代からしっかり準備しておきましょう。

最近ではつみたてニーサやイデコ、貯蓄型の保険商品などを活用して老後の資産形成する人が増えてきているようです。

資産運用の力を利用して効率的に増やしていきたいですね。

おわりにかえて

独立行政法人労働政策研究・研修機構公表の「60代の雇用・生活調査結果(2020年3月31日)」によると、2019年6月1日の調査時点で仕事をしていた60代の割合は59.0%です。

さらに、年齢でみると、60代前半(60~64歳)が70.2%、60代後半(65~69歳)が50.1%の就業率となっています。

60歳以上でも元気に働ける時代になったことが分かります。

しかし、70代、80代になって今まで通り働けるかというと、体力的にも難しいでしょう。

老後の資産形成を考えるとき、いざ働けなくなってからの老後生活にどう備えるかがとても重要です。

年金収入だけでは足りないという人も少なくないでしょう。

ましてや、今は「人生100年時代」です。

人生が100年続くと想定して老後の資金プランを考えるべきと言えるでしょう。

「老後資金をどうやって準備するべきかわからない」、「どれくらいの金額を準備すれば安心か知りたい」という人は資産運用のアドバイザーに相談することをおすすめします。

皆さんの年齢や年収、家族構成、お住いの状況などから、その人にあったプランを計画し、商品提案までしてくれるアドバイザーだと安心ですね。

最近では無料のマネーセミナーや無料の相談会なども開催されています。ここで一度、自分の老後について考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料