「妻の働き方」と「年金」
実は筆者自身も、自身の働き方をめぐり、幾度か軌道修正を迫られたケースに該当します。
その背景には、子どもが乳幼児期に小児喘息の発作を頻繁に起こしていたこと、子育てとほぼ同時に親の介護が始まったことなど、いくつかの事情がありました。
非常にお恥ずかしい話なのですが、仕事や働き方を選ぶとき、20代~30代の頃は「年収」「貯蓄残高」といった、その時点で「わかる」お金のことばかりに目が向いていたことは確かです。
正直、年金受給額のことまでは考えていませんでした。
結婚20年目を迎えた今、夫婦の働き方を考えるうえで「将来を見据えた」長期的なビジョンを視点を、若い頃から持つべきであった、と遅ればせながら痛感しています。
ですので、冒頭で例に挙げたような、働き盛りの旦那様が「自分一人の収入で家族を養っていけるのに…」という「今現在」に視点を向けた発想を持つこと自体には、筆者自身、何となく理解できる部分もあります。
厚生年金の手厚さから、会社員として働き続ける選択肢をとることは理にかなっている部分が大きいといえるでしょう。
また一方で、最近では男女問わず、自営業やフリーランスという就業形態を選ぶ人が増加していますね。育児や介護との両立がしやすいフレキシブルな働き方としても注目されています。
この場合、厚生年金の手厚いメリットを受ける部分は減りますが、理屈としては「収入は青天井」となるわけです。稼ぎに応じてしっかり貯蓄を増やしていくことで、老後資金を準備していくことも可能かと思います。
働き方、収入、家族構成は人それぞれです。「お金の貯め方、増やし方のコツがつかめない…」「そもそも我が家の老後資金ってどのくらい必要なの?」といったお悩みや疑問をお持ちの方も多いでしょう。
そんな場合はぜひ、お金のプロのアドバイスを受けてみることをおすすめします。あなたとご家族の働き方に合った、オーダーメイドの資産運用方法を見つけるきっかけになるかもしれません。
参考資料
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構「専業主婦世帯と共働き世帯」
- 厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況(2019 年) 」