女性の社会進出が進み、「共働き世帯」はかつてのように珍しいものではなくなりました。
とはいえ、「働き続けるか」「どんな働き方をするか」といった、仕事を続けるうえでの軌道修正を迫られることが多いのは、やはり男性よりも女性の側ではないかと思います。
出産、育児、パートナーの転勤、そして「家族の意向」。
筆者は昔、数名の知人から、
- 産後も働き続けたい
- 子どもが中学生になったので、そろそろパートに出たい
といった内容を夫に相談したら、
- 家事は誰がやるのか?
- 俺の稼ぎで十分やっていけるのに、なぜ外で働くのか?
- 同居の義母が反対している!
といった類の、なんとも渋~い反応が返ってきて悩んでいる、という話を聞いたことがあります。
妻が就業するかどうかで、家族の生活ぺースが大きく変わることは事実でしょう。
また、「現時点での夫一人の収入で十分生活していける」という理由で、無理して共働きする必要はない、という発想になることは、さほど不自然な発想ではないのかもしれない…、と筆者は考えます。
しかし、妻の就労状況は、今現在の世帯収入だけではなく、夫婦が将来もらえる年金額を左右するものでもある、という視点も持っておくとよいかもしれません。
今回は、『「働く妻」が変える、夫婦の老後の年金額』と題して、女性の働き方と年金の関係について考えていきます。
年金の基本を確認
2階建てのような仕組みでも知られる年金制度。その内訳は、以下のようになっています。
- 1階部分「国民年金」・・・日本に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務
- 2階部分「厚生年金」・・・公務員や会社員などが「国民年金」に上乗せして加入
また、企業年金連合会は2015年10月に旧共済年金が厚生年金に統合された際、それぞれの被保険者を以下のように示しています。
- 第2号厚生年金被保険者…旧共済年金の加入者(国家公務員共済)
- 第3号厚生年金被保険者…地方公務員共済
- 第4号厚生年金被保険者…私立学校共済
妻が会社員や公務員として働く場合は、将来は「老齢基礎年金」+「老齢厚生年金」を受給することになります。
ずっと自営業やフリーランスとして働く、または専業主婦でいる場合は、「老齢基礎年金」のみの受給となります。