最近の若者はすぐに仕事を辞める――といわれることは多いもの。「まずは3年」ともよく聞きますが、筆者自身は3年といわず、新卒入社8カ月で正社員を辞めた一人です。

あれから15年。“すぐに会社を辞めた女の末路”…とまではいきませんが、これまでの社会人生活を振り返り、今のキャリアに至るまでの紆余曲折をまとめてみたいと思います。

8カ月で正社員の仕事を辞めた理由

私が新卒で入社したのは横浜にあるホテルでした。親の勧めで志望した航空業界を断念し、華やかな接客業という共通点から選んだ仕事です。

当時の私は世間知らずで、本当に何も分かっていませんでした。決して軽い気持ちで選んだわけではありませんが、一見華やかな世界の裏側、仕事内容や給与・勤務条件などについても入社前に十分理解していたとはいえません。

実際のホテル業は(配属にもよりますが)いわゆる体育会系で、なかなか厳しいものでした。大学時代の接客業アルバイトとは比にならず、さらにパワハラやセクハラも日常的。筆者も「声が小さい!」と怒鳴られ、スタッフ大勢の前で見せしめのような“練習”を強いられたこともありました。

そんな状況に対して給与は低く、安いアパートで一人暮らし。手取りが14万円台の月は菓子パン1つで過ごした日もあります。「頑張って大学を卒業したのに、私の人生これでいいんだっけ…」という思いが日に日に強くなっていくばかりでした。

そんなある日、偶然テレビで見かけた「色」に関わる仕事。その瞬間、ビビッと電流が走るような感覚があったのです。直感的に「これかもしれない」と思いましたが、本格的に学ぶにしても平日のシフト休みしか取れない、そもそもお金が貯まらない。そのことに気付き、このままではダメだと転職を決意したのです。

上司に退職の希望を伝えると、会議室に呼ばれ長時間かけて説得されました。「今辞めたら経歴に傷がつくよ」「すぐ辞めるなんて次の仕事もどうせうまくいかない」といわれたことを覚えています。立場上必死だったのは分かりますが、かえって筆者の決意は固まり、結局それから約1ヶ月後に退職することになりました。