「まずは3年」は今も正しいのか?
さて、冒頭でも触れた「まずは3年」という言葉。これは今も正しいのでしょうか?
筆者は20代で4回転職を経験しましたが、その頃は友人にも「今どこの会社にいるの?」と苦笑されたものです。仕事をコロコロ変えて落ち着かない、長続きしないダメな奴、私の中にそんな後ろめたさがあったことは否定できません。
しかしあの頃から15年も経つと、状況はずいぶん好転したなと感じます。これはあくまで筆者自身の肌感覚ですが、以前よりも転職(転職回数)への視線は変わってきたのではないでしょうか。企業寿命の短命化や働き方の変化で、今や転職は「普通のこと」です。新卒で入った一つの会社にずっと在籍し続ける方が珍しくなっていくでしょう。
だからこそ筆者は、まずは3年という考え方は古いと思います。だってあなたの人生の3年間、転職を引き留めたとして誰も責任を取ってくれません。ただ我慢して過ごすには長いと思いませんか。事情はあれど、時間の枠にコントロールされるのではなく、自分の意志で舵を切りたいものです。
さいごに
筆者自身は新卒入社8カ月で仕事を辞め、その後も転職を重ねましたが、今はそれで良かったと思っています。結果論かもしれないし、遠回りした自分の正当化かもしれません。それでも一つ確かなのは、全て自分の意志で決めたこと。だからこそ、どの方向であれ留まらずに進み続けることができました。
変化のスピードが速い時代、働き方も多様化しています。仕事を変えることはますます「普通」になっていくかもしれません。後悔のない働き方、そして後悔のない生き方のために、自分の意志を尊重したキャリアを切り開けるよう願っています。
田原 未沙記