評論家もマスコミも野党も悲観論を述べたがる

評論家は「問題ありません」と言うより「様々な問題点とリスクがあります」と言う方が賢そうに見えますし、顧客も面白がって話を聞いてくれます。

「米国にはこういうリスク、中国にはこういうリスク、国内にはこういうリスクがあるので、来年の景気はとても心配です」という方が、「米国も中国も国内も特に問題ないので、来年の景気は大丈夫でしょう」と言うより話が面白くなることは当然ですね。

後述のようにマスコミが悲観論を好むので、楽観論者はマスコミに出にくい、ということも評論家に悲観論を述べさせるインセンティブとなっているかもしれません。

マスコミも、悲観論を流した方が視聴率や販売数が上がるので、悲観論を好みます。これはマスコミが悪いというよりも、悲観論を流す番組や記事を見たがる視聴者が悪いのでしょうが(笑)。

中には政府を批判するのがマスコミの役割だと考えて、うまく行っていないことばかり流すところもあるようです。マスコミの仕事は政府を監視することであって、批判すべきところは批判するとしても、褒めるべきところは褒めるべきなのですが・・・。

マスコミとは異なり野党は、与党を批判することも重要な仕事でしょうから、世の中で起きている困ったことを取り上げて、うまく行っていることは取り上げない、というインセンティブを持つはずです。

もっとも、これについては情報の受け手もわかっているでしょうから、割り引いて受け取るでしょう。本稿が懸念する必要はなさそうです。