3月の年度末で定年退職を迎える人は、そろそろ仕事の引き継ぎを本格的に始めている頃でしょうか。

定年再雇用制度を利用して、引き続き同じ会社で勤務を続ける人も多いかもしれませんね。

これまで家族のために働いてきた人も、これからは自分のために働くことになります。

少し働くペースを落としながら、ゆっくり仕事をしたいと希望する人もいるでしょう。

一方で「老後のために、経済的にも働かざるをえない・・・」という人も多いかもしれません。

私は大学卒業後、信用金庫での勤務経験があり、FPの資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、多くの方のファイナンシャルプラニングに関わってきました。

そこで今回は、60代の貯蓄額を参考にしながら還暦格差がどれくらいあるのかについて、見ていきたいと思います。

60代、働いている人はどれくらいか

独立行政法人 労働政策研究・研修機構公表の「60代の雇用・生活調査結果(2020年3月31日)」によると、令和元年7月~8月の調査時点で仕事をしていた60代の割合は59.0%です。

さらに、年齢別の就業率を見てみましょう。

  • 60代前半(60~64歳)・・・70.2%
  • 60代後半(65~69歳)・・・50.1%

60代後半の人でも2人に1人が働いていることが分かります。

このうち、男性は69.1%、女性が49.3%です。男性の方が女性より比率は多いですが、女性も概ね2人に1人の割合で働いていることが分かります。

このうち仕事をしている理由(複数回答)を見てみると、以下の通りです。

  • 経済上の理由:76.4%
  • いきがい、社会参加のため:33.4%
  • 健康上の理由:20.6%
  • 頼まれたから:15.6%

上記の「経済上の理由」ですが、経営者を含まない雇用者のみを対象とした結果では81.7%に上昇します。

経済的な理由で働いている人が大半を占めているのが分かります。

最近では「人生100年時代」と言われています。

人生が100年続くことを想定し、働けるうちは働くという考えの人が増えているのかもしれません。

自分の貯蓄をできるだけ増やして、公的年金を繰下げ受給して年金を増額できれば、老後は安定したものになりそうです。

60代の貯蓄額はいくらか

次に、60代の貯蓄額について見ていきたいと思います。

金融広報中央委員会公表の「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、60歳代の平均貯蓄額と中央値は以下の通りです。

60歳代金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 平均貯蓄額:1745万円
  • 中央値:875万円

次に金融資産保有額別の割合は以下のとおりです。

  • 金融資産非保有:18.3%
  • 100万円未満:3.5%
  • 100~200万円未満:4.0%
  • 200~300万円未満:4.0%
  • 300~400万円未満:3.3%
  • 400~500万円未満:4.0%
  • 500~700万円未満:5.3%
  • 700~1000万円未満:7.5%
  • 1000~1500万円未満:7.5%
  • 1500~2000万円未満:6.3%
  • 2000~3000万円未満:13.3%
  • 3000万円以上:19.6%
  • 無回答:3.3%

金融資産非保有世帯、言い換えると貯金ゼロ世帯が18.3%に対し、3000万円以上の世帯が19.6%と、ほぼ同じ割合になっていることからも、両者の格差が浮き彫りとなる結果となりました。

60代になったら働きたくないという人、または働くとしても自分のペースで無理なく働きたいという人は、経済的に困らないように貯蓄を準備する必要がありそうですね。

退職金の有無も貯蓄額に大きく影響していると考えられます。

退職金がない会社に勤務している人は、退職金に代わるものを自分で準備する必要があると言えそうです。

60代、格差を解消するにはどうすればいいのか

はたらく世代の人は、できるだけ早いうちから老後生活の準備をすることをオススメします。

例えば、老後までに20年以上時間が残されている人は、イデコやつみたてニーサなどの税制優遇制度を活用して、投資信託で積み立て投資をするのはいかがでしょうか。

投資信託は元本が保証された金融商品ではないため、一度にたくさん購入したり短期間で売買すると元本割れのリスクが高まります。

しかし、投資信託は本来、長期運用のために設計されている商品です。

投資信託の中でも、長期で毎月一定の金額を積み立て投資をすれば、複利で資産が増えることが期待できる商品もあります。

最近の銀行預金では、お金はなかなか増えませんよね。

老後までに、まだ20年以上時間が残されている人は、資産運用を利用した資産形成を検討してみてはいかがでしょうか。

おわりにかえて

今回は60代の貯蓄額を参考にしながら、還暦格差がどれくらいあるのかについて見てきました。

60代の貯蓄額を見ても、世帯によって大きな差があることがわかりました。

この差は退職金の有無も大きく影響している可能性もありますが、働いているうちから貯蓄を準備できていたかどうかも影響していると言えるでしょう。

ゆとりのある老後を迎えるためにも、はたらく世代の今から老後の準備をしていきましょう。

ただし、老後準備といっても何から手を付けたらいいのかわからないという人も多いと思います。

その場合は、ぜひ資産運用のプロのアドバイザーに相談することをおすすめします。

最近では無料で相談サービスや無料のマネーセミナーもよく見かけるようになりましたね。

無料だと気軽に申し込めますので、これを機に上手に利用してみてはいかがでしょうか。

参考資料