「予防接種を受けることにより、副反応のリスクがある一方で、罹患するリスクが減る。確率を計算すると、個人の利益を考えるならば、予防接種を受けるメリットは差し引きゼロである。したがって、面倒だから接種しない人が多い」
「しかし、個々人が罹患しなければ他人に感染させることがなくなるので、個々人が予防接種を受けることによる社会全体のメリットはプラスである」といった場合です。
筆者は医療関係のデータに詳しくないので、副反応の確率等々を用いて接種すべきか否かを論じることはできませんが、筆者個人にとって罹患確率低下メリットの方が副反応リスクよりも大きいのだろうと信じています。
各国の政府がワクチンの接種を決めているわけですし、すでに接種した人の副反応もそれほど多くないようですから。それならば、周囲や社会に迷惑をかけないように、予防接種を受けるべきだろうと考えています。
理屈で考えれば、筆者に順番が回って来る前に大勢の人が予防接種を受けて感染を予防し、感染者数が激減し、その結果として「筆者は予防接種を受けなくても罹患する可能性は非常に小さい」ということになる可能性はゼロではありません。もっとも、そんなことを期待するくらいなら、「順番が回って来るまで罹患しないで過ごせますように」と祈る方がマシですね(笑)。
なお、同様の問題は、予防接種を受けるための金銭的な費用に関しても発生しますが、そちらは接種費用を無料化すれば良いだけなので、比較的簡単な問題なのかもしれません。そちらについては、拙稿『新型コロナのワクチン接種無料化、公費で負担するメリットは何?』を併せてご参照いただければ幸いです。
本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。
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塚崎 公義