とあるチャンネル登録者数20万人を超えるガジェット系YouTuberのアップした動画がバズりました。端的に動画の主張概要は「一部の携帯ショップは情弱から搾取する施設になっている」というものです。
過激に感じるかもしれませんが、主張の内容はとても納得感の高いものであり、動画のコメント欄には「店員ですが、まさしくおっしゃるとおり!」と複数人の携帯ショップの店員が同意するコメントも見られました。
筆者はかつて、携帯電話会社のコールセンター派遣スタッフをしていました。当時はガラケー全盛期で、携帯ショップからもよく問い合わせを受けていた経験がありますので、その観点からもこの問題について思うことをお話します。
携帯ショップへ来店する人は情報弱者?
同氏の主張によると「携帯ショップへ来店する人はいわゆる情報弱者であり、一部のショップは彼/彼女らを搾取している」といいます。
この主張の通り、あらゆる手続きがオンラインで対応出来るようになった現代において、携帯ショップへ来店することの意味合いは薄れているように思えます。携帯ショップに行くことで、オンラインで得ることのできないメリットは「ほしいスマートフォン(スマホ)が当日手に入る」ということ以外の理由以外はあまり見当たりません。
そしてこの唯一といっていいメリットすらも「膨大な待ち時間が余儀なくされる」というデメリットによって、かき消されるといっていいでしょう。ガラケー時代とは比べ物にならないくらい、プランやオプション、スマホの機能は複雑化しています。昨今の携帯ショップの混雑は、そんな複雑化したシステムや機種操作の説明案内に大きな時間がかかっていると見られます。
そしてショップに来店して手続きをする人たちは、
- 「ネットの操作に自信がない」
- 「膨大なプランやオプションサービスを把握しきれない」
といった、スマホを取り巻く情報についていけない人たちが中心です。その多くが高齢者であり、そんな最先端のスマホの情報に疎い層が心無い一部の携帯ショップに不当に搾取されているというのです。
筆者が携帯コールセンターで働いている時期も同じような状況でした。ショップに来店中の高齢者が「あなたたちに全部おまかせする。携帯のことはよくわからないから、オススメのものにして」という問い合わせも多くありました。帰宅後に高齢者の子供から
- 「なんで携帯のことが何もわからない素人に、長期の2年契約なんて結ばせたのか!」
- 「老人に最新機種なんて必要ない!」
- 「こんなにオプションゴテゴテにつけて。バカにするな」
といったクレームの電話が何度も入り、その度にお詫びをしていた記憶があります。