個人事業主・フリーランスは気を付けたい、国民年金の落とし穴

個人事業主やフリーランスの場合、会社員より年金額が少ないことは分かりましたが、実際にどのぐらいの収入があれば安心して生活ができるのでしょうか?

金融審議会 「市場ワーキング・グループ(第21回)の厚生労働省提出資料」から、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上、夫婦のみ)の生活費と収入のモデルケースを下記に示します。

  • 毎月の収入(主に年金):20万9198円
  • 毎月の支出(主に食費):26万3718円

これはあくまで、会社員の方の年金受給額を参考にしています。

国民年金受給者の場合だったら、どうなるでしょうか。冒頭の章で示した国民年金平均受給額を単純に当てはめてみます。

  • 毎月の収入(主に年金):11万2565円
  • 毎月の支出(主に食費):26万3718円

月々の収支は15万1153円程の赤字になります

老後が仮に20年だとすると約3620万円が足りない計算になります。結構大きな金額です。

各世帯で状況は異なりますが、老後の収入源が国民年金のみの場合、貯めたお金も早々に尽きてしまう可能性があります。

個人事業主やフリーランスの人は老後に向けた資産形成の必要性が高いと言えそうです。

フリーランスは早めの年金対策を

個人事業主やフリーランスの人は、年金対策に早めに着手することをおすすめします。

地道に貯蓄していく方法でも構いませんが、数千万の貯蓄を計画するとすれば、月額の負担は相当なものになります。

できれば、働けるまでは働いて収入を得ることや、年金の繰り下げ受給で受給額を増やすことを考えておきましょう。

別の方法としては、資産運用もおすすめしたいところです。

少額でも構いませんので、長期で積立投資をすれば複利効果を得ることができ、お金が増える可能性が高くなります。

できれば、10年、20年、30年、40年と運用を続けていくのがベストです。長ければ長いほどリスクやリターンが安定し、資産が大きくなる傾向があります。

積み立て投資はタイミングを図る必要がありませんから、初心者の人でも継続しやすいのがメリットです。

仮に、月々4万円のお金を年率5%の複利で30年間運用すると、税金などを考慮しなかった場合、約3300万円の資産を作ることが出来ます。