ただし、会社の規模などによって差があります。

中央労働委員会公表の「令和元年退職金、年金及び定年制事情調査(2019年)」によると、資本金5億円以上かつ労働者1000人以上の企業を対象とした調査の中で算出された大学卒の平均退職金額(退職事由が定年退職)は、下記のとおりです。

  • 大企業:2511万1000円

また、東京都産業労働局公表の「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」によると、従業員が10人~299人の東京都内の中小企業を対象にした調査の結果、「モデル退職金」(大学卒業後すぐ入社し、普通の能力と成績で勤務した場合の退職金水準)から見る退職金額(退職事由が定年退職)は、下記のとおりです。

  • 中小企業:1118万9000円

一般的に大企業よりも中小企業の方が退職金の支給額は少ない傾向があると言えそうです。

それではこれらを基に公務員の退職金と比較してみましょう。

公務員の平均退職金額はいくらか

まずは、国家公務員の定年退職金についてみていきたいと思います。

内閣官房内閣人事局が公表した「退職手当の支給状況(令和元年度退職者)」によると、国家公務員常勤職員の平均退職金額は以下の通りです。

  • 常勤職員(定年):2090万6000円

続いて総務省公表の「平成31年地方公務員給与の実態」によると、地方公務員(一般職員)勤続25年以上の定年等退職者の平均退職金額は以下の通りです。

  • 都道府県:2181万1000円
  • 指定都市:2118万5000円
  • 市:2127万1000円
  • 町村:2013万1000円

国家公務員の方がやや少ない印象を受けますが、これは国家公務員の平均退職金額に勤続年数が考慮されていないためです。

勤続年数を25年以上にして平均支給額と受給者数に基づき平均値を算出すると2124万4千円程度となり、地方公務員と差がほとんどないことが分かります。

いかがでしたでしょうか。最も退職金が多いのは大企業の退職金という結果になりました。

これは公務員の退職手当は民間企業の退職金額と乖離しすぎないように見直しが行われているためと言えるかもしれません。