企業が儲かったら配当を増やしてくれる、ということが株主にとってありがたいのは当然ですが、加えて企業が儲かったら内部留保を増やしてくれるので、1株あたり純資産がどんどん増えていき、PBR(株価純資産倍率)が一定だとすると株価が自然に上がっていくわけです。
こうしたことから、バブルだという人がいる一方で、株価の割高感はそれほど強くなく、許容範囲内だと考える人も多いわけですね。
短期的には海外との連動が重要だが
現在は、世界的な株高であり、日本だけが株高だというわけではありません。しかもそれが、世界的な金融緩和がもたらしている株高であることは疑いありません。
ということは、短期的には(今がバブルならば)バブルの崩壊で株価が下がるかもしれませんし、(今がバブルでなくても)金融緩和が終われば株価が下がるかもしれません。
しかし、日本企業が利益を稼ぐ体質になっていること、それが内部留保として一株あたり純資産を増やし続けていること、等々を考えると、長期的な株価の見通しとしては、比較的楽観しても良いのかもしれません。
もちろん、「下がってから買おう」とか「それでも海外株の方が魅力的だ」とか「やっぱり株は怖い」とか、色々な考え方があるでしょう。いずれにしても、投資は自己責任でお願いします。
本稿は以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。
参考資料
- 内閣府 景気基準日付
- 財務総合政策研究所 財政金融統計月報第474号 損益および付加価値(全産業)
- 財務総合政策研究所 財政金融統計月報第811号 損益および付加価値(全産業)
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塚崎 公義