「産業別」にみた平均退職金額

次に、産業別、勤続年数別の平均退職金額を見てみましょう。厚生労働省の「令和元年賃金事情等総合調査(確報)」の「産業、勤続年数、学歴別定年退職者の平均退職金額(男)平成30年度1年間」を参考にします。

中途入社等や大学院卒の場合などを考慮し、「満勤勤続」と「勤続35年」の場合をみていきます。

平成30年度(1年間)の産業別の平均退職金は、調査産業の全平均では、満勤勤続(大学卒)で2億2895万円、勤続35年(大学卒)で2億1578万円です。各業種の平均の退職金は以下の通りです。

製造業全体

  • 満勤勤続(大学卒)・・・2358万1000円
  • 勤続35年(大学卒)・・・2086万4000円

製造業(機械)

  • 満勤勤続(大学卒)・・・2225万円
  • 勤続35年(大学卒)・・・2029万円

製造業(電気機器)

  • 満勤勤続(大学卒)・・・2532万7000円
  • 勤続35年(大学卒)・・・2079万2000円

製造業(車輌・自動車)

  • 満勤勤続(大学卒)・・・2938万4000円
  • 勤続35年(大学卒)・・・記述なし

建設

  • 満勤勤続(大学卒)・・・1931万2000円
  • 勤続35年(大学卒)・・・1764万3000円

銀行・保険

  • 満勤勤続(大学卒)・・・1820万2000円
  • 勤続35年(大学卒)・・・2987万1000円

百貨店・スーパー

  • 満勤勤続(大学卒)・・・2329万7000円
  • 勤続35年(大学卒)・・・記載なし

新聞・放送

  • 満勤勤続(大学卒)・・・3959万6000円
  • 勤続35年(大学卒)・・・2558万円

ホテル・旅行

  • 満勤勤続(大学卒)・・・1963万1000円
  • 勤続35年(大学卒)・・・記載なし

概ね、大学卒の定年退職金は2000万円前後が支給されそうです。いちばん多かったのが「新聞・放送」で約4000万円が支給されています。

意外と少なかったのが「銀行・保険」で約1820万円でした。たくさん支給されているイメージがありましたが、実際はさほどでもなさそうです。

ただ、勤続年数が35年の人は3000万円弱が支給されていますので、やはり金額的には多く支給されている部類に入るのかもしれません。

補足

  • 上記の数値は退職一時金制度の採用がある企業を集計対象としています。
  • 「退職金額」は、退職一時金に、退職年金掛け金(事業主負担分に限る)の現価額を加算したものです。
  • 「満勤勤続」とは、学校を卒業後すぐに(大学卒は22歳、短大・高専卒は20歳、高校卒は18歳)入社し、定年年齢まで勤続したものです。
  • 「平均退職金額」は、退職者数により加重平均したものです。