「孤独死リスク」が賃貸契約の壁。単身高齢者の増加で住居問題が深刻に

生活中の突発的な疾病(心臓発作や脳出血など)によって死亡するケースもありますが、高齢者の持病が重篤化してそのまま亡くなるパターンが「孤独死」のイメージではないでしょうか。

詳しくは後述しますが、国立社会保障・人口問題研究所が2年前(2019年4月)に公表した今後の世帯数予測を見ると、現在既に社会問題化しつつある孤独死がよりいっそう深刻になる可能性が高まっていることが見て取れます。

自殺者数をはるかに上回る高齢者の孤独死

ところで、現在の日本社会において孤独死で亡くなる高齢者はどれくらいいるのでしょうか?

直近データではありませんが、東京都監察医務院(東京都福祉保健局)の調査によれば、平成29年(2017年)に東京23区内で一人暮らしをする65歳以上の死亡者のうち、自宅での死亡者数は5,336人となり、過去最高を記録しました。

平成27年が3,127人でしたから、わずか2年間で急増したことになります。さらに、14年前(平成15年)が1,451人だったことを勘案すると、直近数年間で大幅増加になったことも分かります。

また、同じベースの調査ではありませんが、大阪府警の調査によれば、2019年の府内における孤独死は2,996人で、うち71%が65歳以上だったとする結果もあります。

これらの孤独死データを基にすると、全国では3万5千人~4万人の高齢者が孤独死で亡くなっていると推察されます。令和2年(2020年)の全国における自殺者(全世代)が21,077人(厚労省による暫定値ベース)であることを考えると、孤独死の多さが理解できましょう。

誰にも看取られることなく亡くなる人は、決して珍しくない時代になったのです。

ちなみに、平成29年の全死亡者数は約134万人だったので、高齢者による孤独死の割合は3%前後と推測されますが、直近では3%を超えている可能性が高いと考えられます。

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執筆者

国立大学卒業後、国内・外資系の金融機関にて23年勤務後に独立。証券アナリストなどの職務を経験し、ファイナンシャルプランナー関連等の金融系資格を多数保有。専門は株式投資、貴金属投資、年金、相続、不動産。