コロナ特需で躍進、今期は過去最高益を見込む
茨城県水戸市に本社を置くケーズHDは全国に504店舗(2020年3月末時点)を展開しており、FC店舗はわずか4店でほとんどが直営店です。地域別では関東に約150店と重点的に出店していますが、他の地域にはまんべんなく展開しています。
近年、同社は店舗数拡大と共に安定成長を続けました。2018年3月期から2020年3月期までの業績推移は、売上高が6791億円⇒6891億円⇒7082億円、営業利益は307.6億円⇒327.2億円⇒329.9億円、当期純利益は227.1億円⇒238.1億円⇒215.3億円となっています。
2019年3月期はエアコン・冷蔵庫・洗濯機・PCなど幅広い製品の好調が寄与。人件費・広告費の削減も相まって増収増益となりました。
翌2020年3月期は消費増税前の駆け込みが牽引したものの、暖冬などの気候要因によって売上高の伸び悩みも見られました。利益面では長期保証対象製品が予想より増加したことで保証関連の費用が増大し、キャッシュレス化手数料の増加も影響して当期純利益が減益となっています。
2021年3月期は当初、今期予想をコロナの影響で未定としていましたが、コロナ特需によって大幅に業績が拡大。2月1日に発表した通期予想では売上高7800億円(前期比10.1%増)、営業利益481億円(同45.8%増)、当期純利益340億円(同57.9%増)と、過去最高益を見込んでいます。
「コロナ禍での従業員の奮闘に報いる」
冒頭で触れたように、ケーズHDでは「がんばらない経営」と「『お客様第一』の実現のための従業員第一」を事業コンセプトに掲げてきました。そして、この”社員ファースト”の姿勢は、今期の業績急伸の中でも貫かれています。