眼科医と企業が行ったアンケート結果(対象:全国の20~69歳一般男女[関連職業は除く]、合計1000人)によると、コロナ禍で学校や職場でモニターを見る時間が長くなり「視力低下」や「ドライアイ」に悩む人が増え、NHKなどのメディアも「テレワーク病」として報じ始めています。

じつは、これらを放置すると大きなトラブルにつながる可能性が高いそうです。そこで、拙著『手のひらマッサージで目の不調がスッキリ整う 眼圧リセット』をもとに、薬も道具も使わない、自宅でできるセルフケアの方法を解説したいと思います。

「強度の近視」は、通常の40倍もの重病リスクがある

新型コロナウイルスの流行をきっかけに、私たちの”暮らし”は大きく変わりました。

「ステイホーム」を求められた2020年の春から、テレワークやオンラインによるイベントが急増。動画の視聴時間やスマホの利用時間も激増。「コロナ太り」をはじめとして、多くの人が”体”の変化を感じています。

あなたは、体のどこが最も疲れましたか?

株式会社ライオンが行った調査によると、1位は「目」だったそうです。1日でモニターに向き合う時間が長くなり、視界がぼやけたり、午後になると目がショボショボとかすれてくる人が増えているようです。

「目の疲れなんて寝たら治る」、そう思う人もいるでしょう。

たしかに、一時的な目の疲れなら睡眠で解消されることもあります。でも、パソコンやスマホを見ることで目の疲れが続いて「ドライアイ」や「眼精疲労」になると、視力低下や目の痛みはもちろん、頭痛、肩コリ、体のゆがみなど、全身に悪影響が及びかねません。

なかでも気を付けたいのは、「近視」による視力低下です。2021年2月には、コロナ禍によって「超近視時代」になっているという危険性が、NHKで報じられました。

番組によると、眼科医が小学生の目の状態を調査したところ、前年と比べて「眼球がラグビーボールのように歪んでいる」子供の割合が急増していたというのです。大人にも同じような症状が起きているのは、いわずもがなでしょう。

近視が進むと、失明につながる病気にかかりやすくなります。「強度の近視の人」は、そうでない人にくらべて目の病気のリスクが高まるのです。たとえば―――

【緑内障(りょくないしょう)】は3.3倍、
【網膜剥離(もうまくはくり)】は21.5倍、
【近視性黄斑症(きんしせいおうはんしょう)】は40.6倍も発症しやすくなるといわれています。

テレワークによる「目の不調」は将来的に、あなたの目に重大な症状をもたらす可能性さえあるのです。

近視大国・日本で生まれた「視力回復」マッサージ

じつは、40代以上の”近視人口”で比べると、日本は中国の2倍、オーストラリアの3倍もの多さと言われています。いわば、日本は近視大国というわけです。

近視が多いということは、目のトラブルもそれだけ他国より多いということですが、みなさん案外、「近視になるのは仕方ない」というあきらめモードになっていませんか?

もちろん、そんなことはありません。私は目の不調を抱える人に、「手のひらを使ったマッサージ」を教えてきました。きちんとセルフケアをすることによって、近視が改善できることはあるのです。

少しだけ「近視」のメカニズムについて、詳しくお話します。

たとえば、近いところを見る作業が続いた場合、目のピントは同じところに固定されます。すると、眼球内部の「毛様体(もうようたい)」という筋肉や、眼球付近の筋肉は緊張します。その緊張がさらに続くと、眼球が圧迫されてしまうのです。

このとき、眼球の上下左右はがつぶれ、ラグビーボールのような楕円形(だえんけい)に変形しています。ですから、急性の近視を防ぐには、毛様体や目の周りの筋肉の緊張をとればよいのです。

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筆者の清水ろっかん氏の著書(画像をクリックするとAmazonのページにジャンプします)

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これからご紹介するマッサージは、頬骨(ほおぼね)や眼窩(がんか)をはじめとする「顔の骨格」にアプローチします。その結果、目の周囲の筋膜や筋肉群に働きかけ、血流もうながされて、自律神経も整います。

そうして、眼球の緊張は改善され、もとの球体に近い形に戻りやすくなります。すると固定されがちだったピントの問題も解消し、視力もおのずとアップするわけです。

また個人差はありますが、「緑内障」の原因のひとつである「眼圧上昇」を予防する効果も期待できます。

それでは、次の3ステップで「頬骨ほぐしマッサージ」を試してみてください。

【ステップ①】
手のひらの「母指球」(親指の付け根のふくらんだ所)を、頬骨に当てる

【ステップ②】
頬骨を真後ろ側へとじっくり押す。痛気持ちいい程度で1分ほど続ける。

【ステップ③】
次は、力を加える方向を「斜め上30度」くらいに変えて、【ステップ②】同様に1分ほど頬骨を押し続ける。

【ステップ③】では「斜め上30度」方向に力を加える2/2

【ステップ③】では「斜め上30度」方向に力を加える

※両ひじを机やデスクにつけて行うと、弱い力でもラクに行えます。(撮影:片桐圭)

いかがでしたか? 少し視界がクリアになっていないでしょうか。テレワークや勉強などで少し目が疲れたなと感じたら、1分頬骨をほぐしてみましょう。デスクワークで凝り固まった目の周囲の筋肉や骨格がほぐされて、「自分本来の視力」が戻ってくるはずです。

余談ですが、私の骨格矯正サロンには、視力計測用のランドルト環を常備しています。そこで試しに施術前と後で視力を測ってもらったところ、10人中7〜8人くらいは、視力が0・2以上アップしていました。そして、ほとんどの方が、「世界の見え方が、とても明るくなった!」とおっしゃいます。

明るさや色合いまでなぜ変わるのか、正確なメカニズムはまだわかりませんが、ひとつだけ間違いなく言えることは、目がよくなった方は全員、前向きで明るい気持ちに戻ってご自宅に帰られるということです。皆さんもぜひ、続けて試してもらえればと思います。

清水ろっかん氏の著書『手のひらマッサージで目の不調がスッキリ整う 眼圧リセット』(飛鳥新社、定価(税込) 1,400円)

■清水ろっかん
骨格矯正士、体幹整体サロン「ろっかん塾」主宰
明治大学柔道部在籍中よりさまざまな整体術を学び、独自理論による整体術を確立する。
40年以上にわたり、他に類を見ない独特の骨格矯正による美容メニューを次々に開発。その高い技術力により有名モデルやタレントが撮影前に「小顔矯正」するための駆け込み寺としても有名になる。
サロンに訪れた人たちが軒並み「目がよく見える」ようになったため視力検査をしたところ、視力が0.2以上アップする人が続出。そのほかにも緑内障の進行を止めた実績などが口コミで話題にとなり、「眼圧リセット」がメディアで大々的に取り上げられる。
また、プロのセラピスト向けに「ろっかん式」の技術提供なども行っている。ベストセラ―『バンド1本で小顔になれる!』(フォレスト出版)ほか、読者の美容と健康を実現するための著書多数。

参考資料

男女1000人に聞いた!コロナ禍における目の不調に関する実態調査」(気づいて!涙液トラブル啓発委員会、参天製薬)
外出自粛下の“目の疲れ・不調”に関する実態調査」(株式会社ライオン)
目の長さが延びている?『目にとってかつてない危険な時代に』」(NHKスペシャル「わたしたちの“目”が危ない 超近視時代サバイバル」取材班)
コロナ禍で夕方老眼?ニンテンドーの『視力回復ビデオ』、無料公開も」(フォーブス)

清水 ろっかん