「まさか」に備えた、しなやかなマネープランを
今回ご紹介した統計によると、「大学卒・総合職」の場合、1000万円の退職金を受け取る条件しては、「40代前半まで働くこと」が1つの目安になりそうですね。
さらにいうと、「2000万円」を受け取るためには、50代後半までは勤め続ける覚悟が必要かもしれません。
ただし、これらはあくまでも「標準者退職金」をベースにした試算の結果です。勤務期間が短い人、思うように出世できなかった人などは、先ほどの標準者退職金の金額になるとは限りません。
さらに、今後転職や起業などの計画がある方は、退職金以外で老後資金をカバーしていく必要があります。
長期化するコロナ禍で先行きの見通しが立ちにくい一方で、フレキシブルな働き方が進むこんにち。
転職や独立といったキャリアの変化だけではなく、自然災害、感染症の流行といった「まさか」の事態に備えた、長期的な「資金形成」への意識を高めておくことがたいせつです。
お金を貯めるだけではなく「育てて、増やす」、この資金運用の発想を持つことは、ゆとりある老後生活に近づく第一歩でもあります。
「投資って難しそうで敷居が高い」「保険や投資信託って、商品がたくさんありすぎてどれを選べばいいのか分からない」といったお悩みをお持ちの方がいらっしゃれば、お金のプロのアドバイスを受けてみることをお勧めします。
働き方や家族構成はひとそれぞれ。ご自身のライフスタイルにあった「お金との付き合い方」が見つかるきっかけになるかもしれません。
参考資料
- 日本経済団体連合会「退職金・年金に関する実態調査結果」(2018年9月度)
- 金融庁金融審議会市場ワーキング・グループ「高齢社会における資産形成・管理」
- 厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」(2018年)
「平成30年就労条件総合調査」について
調査対象:日本標準産業分類(平成25年10月改定)に基づく16大産業(製造業や情報通信業、金融業など)に該当する産業で、常用労働者30人以上を雇用する民営企業(医療法人、社会福祉法人、各種協同組合等の会社組織以外の法人を含む)となっており、ここからさらに、産業、企業規模別に層化して無作為に抽出した企業が調査対象。
調査客体数:6405 有効回答数:4127 有効回答率:64.4%