5日続伸し、節目となる17,000円台も突破

2016年10月21日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より50円91銭安の17,184円59銭となりました。前日まで5日続伸していましたが、14時すぎに鳥取県で震度6弱の地震が発生したことや、利益確定売りなども出て、後場では下げる展開となりました。

21日こそ若干の調整となりましたが、今週は力強さを感じさせる相場展開となりました。

いくつかの要因が挙げられます。19日には、中国の7~9月期国内総生産(GDP)が発表されました。結果は市場予想に沿ったものでしたが、中国経済の下振れ懸念が和らいだことから安心感が広がりました。日本時間同日夜には米国で大統領選の第3回テレビ討論会も開かれましたが、民主党のクリントン候補が優勢と伝わり、先行きの不安が後退したとの見方が広がり買いが広がりました。

このほか、原油価格の上昇や、外国為替市場で円相場が1ドル=104円台と円安・ドル高傾向にあることなども投資家心理を改善させました。

来週の動きはどうなるでしょうか。まずは3月期決算企業の中間決算発表が集中することから、個別銘柄の物色をしたいところです。

20日の東証1部の売買代金は概算で2兆826億円と、10月に入って初めて、活況の目安となる2兆円を上回りました。21日も2兆320億円と、2日連続で2兆円を超えました。足元の株高や円安傾向などによる上方修正も期待できます。発表される決算などの内容によっては、相場の活況度合いがさらに高まる可能性もあります。

20日、21日ともに終値が17,000円を超えています。長く続いた保ち合いを放れ、地合いは上昇に転じたと見ていいでしょう。個別銘柄の押し目買いや利食いなど、積極的にチャンスを取りに行きたいところです。

9月5日の高値を抜け、上目線での視界も広がる

今週の動きをテクニカル面から見てみましょう。先々週から陽線が続いています。

週初から3本の陽線が続きましたが、その長さは次第に短くなっていました。特に19日の値動きは35円ほどで、これまで何度も上値を抑えられていた17,000円でまた跳ね返されることも想定されました。

しかし、20日には長い陽線で17,000円を抜けると、目先の上値めどだった9月5日の高値(17,156円)も超えました。

20日の終値は17,235円50銭で、4月27日以来、約半年ぶりの高値を付けました。21日には一時、その高値も更新しました。

17,000円がサポートラインに転換か。本格的な戻し相場に期待

来週の動きはどうなるでしょうか。今週、9月5日の高値(17,156円)を突破したことで、長く続いた16,500円と17,000円の間のレンジを抜けたと考えることができます。17,000円が上値のレジスタンスラインから下値のサポートラインに転換したと見ていいのではないでしょうか。

チャートの形は上昇の形を示しています。25日移動平均線を75に日移動平均線が下から上に抜けるゴールデンクロスも形成されつつあります。

週足で見て直近の上値めどである5月31日の高値(17,251円)までは過去にもみ合ったところであり、抜けるのに大きな力を必要としました、ここも抜けたことで視界は上に広がりました。本格的な戻し相場への期待も高まります。

4月25日の高値(17,613円)あたりまでは大きな節目もないことから、するすると上がることも考えられます。さらにここを超えると18,000円台も見えてきます。

もちろん、再度の17,000円割れの可能性がないわけではありませんが、その場合でも25日移動平均線あたりが下値サポートになると考えられます。来週、若干の調整が入るとしても、押し目買いの好機と考えていいのではないでしょうか。

下原 一晃