ローンや保険契約の見直しも必至
また、正社員で働いているものの収入が減少した、あるいは派遣契約が更新されない、パート勤務のシフト変更で勤務日数が減ったなど、この1年で激変した主婦の方は少なくないでしょう。
予想もしていなかった家計の変化が起きると、家のローンや子ども教育費にかかわる進路変更などについて、真剣に検討する必要が出てきます。
経済状況が好転したとしても、すぐに収入が回復することは望めません。世帯年収がどの程度減りそうなのか、複数の予想を立てて固定費の支払いや保険契約を見直す必要があるかもしれません。家計でのお金の流れを把握することは平時でも重要なことですが、今回のような緊急時ではなおさら大切なことでもあります。
災害が起きるとメディアでは度たび、「自分は大丈夫」と考える正常性バイアスが働いてしまう事例が取り上げられます。昨年から続くコロナ禍は巨大災害級の出来事であり、私たちの生活が根本的に変わる事態となりました。
減収が免れそうにないのなら「何とかなるさ」と考えず、事態を悪化させないための手段をパートナーと話し合うことも念頭に入れておくべきでしょう。
不景気の傷跡は長く残る
近年の日本ではバブル崩壊、リーマンショックが大不況の原因となりました。いずれも回復するまでに長い時間がかかり、「就職氷河期」や「派遣切り」などの言葉が生み出されました。こうした過去を教訓に、早めに対策を講じることは今を生きる私たちにとって必要なことなのかもしれません。
参考資料
- 「働く主婦に聞く、2021年の世帯年収はどうなる?」(しゅふJOB総研/ビースタイルグループ)
中山 まち子