その一方、増えると答えた人の予想平均額は73万円と月額にして6万円程の増加を見込んでいるなど、減収世帯の方が多いものの、コロナ禍の直撃を受けない世帯があることもうかがえます。
パートの掛け持ち、転職は難しい
雇用情勢も厳しい状況が続いています。厚生労働省が1月29日に発表した昨年12月の新規求人は72万2181人で、前年同月比18.6%減少。前年を下回るのは12カ月連続です。
一方、同日発表の総務省の労働力調査によると、12月の完全失業率は季節調整値で2.9%と前月比横ばい。しかし「完全失業率は横ばいだが、就業者数は減少、完全失業者数は増加しており、いずれも悪い方向」との認識が示されています。
特に新型コロナによるダメージが大きい観光業や飲食業、レジャー関連産業では、勤務先の存続が危惧されるなど深刻な状況になっています。筆者の周辺でもこうした業種に務めている女性たちがいますが、シフトの減少などに直面して転職やパートの掛け持ちを検討しています。
しかし、子どもを持つママたちにとって、日中働ける仕事や働きやすい環境の職場は人気が集中するため、求人枠の取り合いとなり思うように事が運ばない様子。
中には、「先行きが厳しいのなら転職しようと思っても、競争率が高まっている中で今の職場を辞める勇気はない」とこぼす人もいます。一方、コロナ禍の直撃を受けていない職種は安泰なのかというとそうとも限りません。
比較的安定している職場で働く筆者の身内のひとりは、人手不足でも会社は新規採用に慎重になっていると教えてくれました。
「景気が悪い状態が長引けば遅かれ早かれ影響が及ぶかもしれず、積極的に動けない」というのが本音とのこと。コロナ禍による影響の大きさに関係なく、どの業種でも雇用情勢が不透明さを増し、思うような仕事探しができなくなってきているのは確かです。