経済的な影響は既に日本企業にも
直接的な経済活動においても、今回の軍事クーデターは影響を与えつつある。
ビール大手のキリンは、ミャンマー国軍と取引が指摘されるミャンマー企業との提携を打ち切ると発表した。今後、キリンは新たなパートナー企業を探すことになるという。
また、モンユワ県のミャンマー国軍系企業と中国企業が合弁事業として運営する銅鉱山では5日から、従業員2000人のうちの300人あまりがクーデターに抗議する意味でストライキに入ったという。
現在、バイデン政権は国軍の幹部らに対して経済制裁を発動する可能性を示唆しているが、今後は経済面での影響も大きくなる可能性があるだろう。
今後は米中の駆け引きの舞台に?
一方、今回のクーデターを巡って欧米諸国などは非難しているが、中国は静観する立場を維持している。
中国は国内とインド洋を繋ぐ経済ルート開拓のため、ミャンマーを戦略的要衝と位置づけており、今後もミャンマーを重視した戦略を取り続けるだろう。
今後のミャンマー情勢を巡っては、バイデン政権がいかに存在力を示すことができるか、また、中国がその隙をどこまで突いていくかを注視していく必要があろう。
和田 大樹