ミャンマー軍事クーデターの発生から1週間が経つ。これまでのところ、幸いなことに日系企業や邦人への被害は報告されていない。

当然ながら、今回の軍事クーデターはミャンマー内政の問題であり、日本権益が直接標的にされるものではないことから、日本大使館が発信する情報を収集し、遵守していれば大きなリスクに遭遇することはないと思われる。

しかし、標的にされることと、巻き込まれることは全くの別問題だ。巻き込まれることを考えると、依然として現地の治安情勢には注意が必要である。

ミャンマー国内外での抗議活動が活発化

ミャンマー最大都市ヤンゴンでは7日午前、1日のクーデター以降では最大規模の市民による抗議デモが行われ、市民らは、アウン・サン・スー・チー氏らを解放しろ、軍による独裁を許すなと叫びながら行進した。

地元の治安当局はバリケードを設置するなど警戒に当たったが、デモ隊との衝突などは発生しなかった。また、第2の都市マンダレーや中部のバゴ管区域、北西部のザガイン管区域モンユワ県などでも同様に抗議デモが発生したが、衝突や死傷者などは報告されていない。

日本国内でも週末にかけて、東京のミャンマー大使館前で5000人規模、名古屋でも1000人規模の在日ミャンマー人の方々による抗議活動が行われた。

こうしたなか、今後現地ではデモの過激化によって治安当局との間で衝突が発生し、死傷者が出るだけでなく、公共交通機関の麻痺やネット遮断の強化などが進み、社会的混乱が拡大・長期化する可能性も排除はできない。