皆さんは、自分の貯蓄額を正確に把握されていますか?

人生100年時代の到来、医療技術の進歩により、人が長生きできるようになったことは素晴らしいことです。

一方で、老後資金の心配をされる方も多くなりました。せっかく長生きするのであれば、お金の心配はせずに楽しく安心できる人生を歩みたいですよね。

私は10年以上、金融業界で個人の資産運用に携わってきました。

今回は世代別に、貯金額の中央値はどれくらいなのかを見ていきたいと思います。

いくら準備しておけば人生100年時代に「安心の老後」を歩めるのか、検証していきましょう。

世代別貯蓄額の平均値はいくら

まずは世代別貯金額の平均値を、最新のデータをもとに見ていきましょう。

金融広報中央委員会実施の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」より、世代別の貯蓄額は以下の結果となっています。

平均貯蓄額(金融資産保有世帯)

  • 20歳代:220万円
  • 30歳代:640万円
  • 40歳代:880万円
  • 50歳代:1574万円
  • 60歳代:2203万円
  • 70歳代:1978万円

平均貯蓄額(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 20歳代:165万円
  • 30歳代:529万円
  • 40歳代:694万円
  • 50歳代:1194万円
  • 60歳代:1635万円
  • 70歳代:1314万円

平均値の意味はご存知かと思いますので、説明は割愛します。

金額を見て、平均値が意外と大きいなと感じられたのではないでしょうか。

平均値は一部の極端に大きな値に左右されるため、どうしても値が大きくなりがちです。

平均値が実態と少し乖離してるな・・・と感じるのは、このためかもしれません。

世代別貯蓄額の中央値はいくら

次に中央値を見ていきましょう。同資料より、世代別の中央値は以下のとおりとなっています。

中央値(金融資産保有世帯)

  • 20歳代:165万円
  • 30歳代:355万円
  • 40歳代:550万円
  • 50歳代:1000万円
  • 60歳代:1200万円
  • 70歳代:1100万円

中央値(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 20歳代:71万円
  • 30歳代:240万円
  • 40歳代:365万円
  • 50歳代:600万円
  • 60歳代:650万円
  • 70歳代:460万円

中央値とは、単純に数字を小さい順、あるいは大きい順に並べた時に真ん中にくる数字です。

平均値と中央値を見ると、数値に大きな開きが生じているのがわかりますね。

平均値は先程述べたとおり、実態とは少し乖離した値になりがちですので、中央値の方がより身近に感じやすい数値と言えるでしょう。